一、童の能を作書するに、心得べきことあり。童体などの脇の為手にて、あるいは人の子になり、息女などにならんことは、もとより人体に似合う上は、是非あるべからず。独り能ならば、似合はぬ風体をさせすべからず。似合はぬこととは、児の能に、親か母などになりて子を尋ね悲しむ風体に、なほ、幼き者を子か息女などになして、親子廻り逢ふ由にて、取り付き、縋り付きて泣き嘆く風体、かへすがへす他目俗なり。
世阿弥の能作書の三体作書条々より。「似合はぬこととは」以降がいまいち読みにくくて、どういう意味なのかよくわからない。誰か簡単な言葉にして。
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