それは私にとって衝撃的な出来事だと思わされた、というのも、私は牛丼屋にいたのだが虫が飛んでおり、不快に思いつつも牛丼屋などそんなものだろうと納得しかかった瞬間のことで、
テーブルにおかれていた布巾の隙間に虫が入り込んだのだが、その瞬間店員が、いやわざとではないのだ、フィリピン人のいかにも気のよさそうなまじめそうな兄ちゃんだ、きっとわざとではないが
タイミングが悪かった、虫が下に入り込んだまま布巾で拭き始めたのだ、虫は恐らくつぶれ死にすなわちペースト状の虫の状況が(不可視の)そこにあるのだと思われるだが、
問題はそのあとだ、これでもまだ問題ではないのだ、その次が問題だったのだ、そこにサラリーマンが座ったのだが、なんと(腹が減っていたのだろうか)、箸を、そう、
料理も来ていないのに、それどころか店員が食券を取りに来てもいないのに、も関わらず箸をとりあろうことか虫の、その見えないペーストの上に、無造作に、置いたのだ、それを見たのだ、
おれはたまげてしまったが、しかしそれを指摘するのもよくない、それは、知らぬが仏という言葉があるのもそうだが、地べたに置いたことを糾弾しているようにとられなくもない、
と思ったのだ、そこまで怒るような人だろうかと思ったが、とにかく、彼は虫の存在の上に、箸をおいた、そして(当然のことだが)その箸を使って定食を食べ始めたのだ。
わたしはその時思ったのだ、もし、仮に、その虫が未知の病原菌を持っていたら…と、未知の病原菌を持っていたとしたら、それはこの憐れな男に丸ごと押し付けられたことになるだろう、
そしておれは考えた、この男が、まあ身なりもそれなりによく見えるので、おそらく彼女のような・・・伴侶のような・・・そういう存在がいるかもしれず、もしかしたらこの後
ドレ、一発にゃんにゃんでもしてやろうかと思っているかもしれないのだ、これは下衆の勘繰りではなく、その先にある、そう本質的な話なのだ、本質的には、そのちょめちょめが
どういう影響をもたらすか、ということだ、この恐ろしい病原菌、これをXと呼ぶ、O-157と掛けているためだ、を持った男が(口の中にある)Xを念頭においてほしい、マウストゥマウスで女とするのだろう、クソッ、
マウスが口と接合するのだ、すると恐らくXは女にも感染するだろう、ここで感染者が2になったわけだ、しかしこれはまだ問題ではないかもしれない、1つの輪に閉じているからだ、しかし、
人はそうではない、私はそう思っている、というのもこの女恐らく浮気をしており、しかし結婚の約束もしていないのだ、自由恋愛だろうという意見もあるが、相手は外国人である、
足の長い、指も長い、さわやかだ、ナニもでかい、クソッ、ベタぼれなのだろう、女は週に1回はジョージと会っている、仮称だが、おそらくそうだ、とうぜん大人の関係だ、することはしている、