2018-09-09

死刑になる夢を見た

何らかの犯罪を犯して死刑になった。確か人殺しをしたのだったと思う。夢の中では誰をどのように殺めたのかが明確に描かれていた気がするが、よく覚えていない。とにかく死刑になった。

 

ある朝、刑務官(?)に声を掛けられ、いよいよ執行になるのだと悟った。私は現実でも感じたことのない恐怖を夢の中で感じた。恐ろしさの余り刑務官の腕を抱きとめて離さなかった。死にたくない、と渇望していた。何かの間違いだ。少なくとも人生の途中までは優しくていい人であったはずだ。それがたった一度の人殺しで覆ってしまうなんて間違いだ。間違いだ、そうだろ?

無慈悲だった。当たり前の話。人殺しは許されない。わかっている。だけど、受け入れられない。私は今日死ぬ

死にたくないと心から渇望していた。守るべきものがあるとか、成し遂げたいことがあるとか、そういう動機ではない。だらだらと生きてきた人生だ。だけど、死にたくない。生きたいのではない。死ぬという未知の苦しみが耐え難かった。

 

突然、刑務所の外で何かが起こったらしい。それが何かはわからないが、私は刑務官に連れられて野次馬として刑務所の外にいた(夢なのでこの辺の経緯は曖昧)。今いるのは刑務所の外。手錠的なものもしていなかった。セキュリティもなぜか激甘。死にたくない。

隙を見て駆け出した。逃げる。死にたくない。全力疾走小学生の頃はクラスで一番足が速かったのが自慢だったが、今や中年差し掛かろうとしてるただの人だ。気持ちばかりが逸って足がもつれそうになる。奴らが追いかけてくる。全力で走っているつもりだが、追いかけてくる奴らとの距離は縮まるばかり。

今は走ることしかできない。神様、お願いだ。死にたくない。逃してくれ。だけど、いくら願っても現実に足は遅い。もうだめだ。捕まる。

 

そこで目が覚めた。こんなに恐ろしい夢は初めてだった。感じたことのない恐怖で呆然とした。はっきりと覚醒したまま布団の中で1時間くらい放心状態だった。

 

仕事を辞めて半年以上経つ。自営で食べていくつもりだったが、全くうまくいかない。調子が良かったのは最初の2ヶ月くらいで、あとは貯金を潰す日々。このままでは文字通りご破産だ。死のうかな、と考えたことは一度や二度ではない。守るものもやりたこともない。人生は負けの消化試合に入った。

しかし、夢の中であんなにも死にたくないと願っていた。死ぬことにこれまでにない恐怖を感じていた。今日はさすがに死のうかなとは考えなかった。

人生はもう終わったも同然だからどうにでもなれ、と思って自営になった。あの時、私は一度死んだ。もう死んでいるんだからなんでもできるさ、と。そして今日、夢の中の死刑によって二回目の死亡診断が突きつけられたのだと思う。

 

希望も夢もない。結婚は諦めたし、普通社会人として生きていくのも諦めた。だから、私は一度死んだ。中途半端社会不適合者が一番生きづらいとはよく言ったものだ。で、今日、もう一度死んだ。死んでいるんだからなんでもできるさ。

呆然としながらものろのろと起き上がった。机の上に、数ヶ月前に買ってから2ページくらいしか読んでいないプログラミングの本があった。ちゃんと読みもしないで、わけわかんねぇと投げ出してそのままほったらかしにしていたのだった。

 

死にたくない。だけど、もう二度も死んでいるんだからなんでもできるさ。わけわかんねぇものも含めてなんでもやってやろう。そう思った。

  • 元増田です。何かバグっています。助けてください。

    • ここは情けは他人のためならずどころか自分のためにもならぬと悟った者の集う場所ゆえ、増田は誰も救済せぬ。だが、誰のためにもならないどころか自分のためにもならないことをす...

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