左翼がオタクを攻撃しだしたのは、左翼以外の手によってオタクが開放されてしまったから。
日本でオタクを攻撃するのは保守、ジジイ的老害価値観であった。要するに「そんな漫画やアニメばっかりいい年して観てると宮崎勤になるぞ」というダメおやじの戯言だった。
それらの主張は、左翼の敵だった。保守に対する革新からするとそいういう価値観は、古いモノ邪魔なモノだった。
でも、ここ10年で状況は激変する。
オタクが一般趣味の一つ、メインカルチャーに数えられてしまうぐらいまで権威を得た。
今や、オタクが主人公のドラマがPM9:00に地上波で放送される。
日本の首相が土管に入ってスーパーマリオのコスプレしながらオリンピックのパフォーマンスをする時代だ。
20代以下には、オタクが保守に迫害されていた時代の記憶などまったくない。
ゲームやアニメを観てると誘拐殺人鬼になるなんて濡れ衣を着せられた記憶が無い。
これらの開放だが、左翼とオタクが戦いの果てに手に入れたものではない。
オタク産業が圧倒的に経済的に強かったから手に入れてしまったものだ。
オタクはメシ代に事欠いてもコミケに行くし、推してるキャラのためなら借金してでも限定グッズを買う。
海外にもオタクがいる。アニメやゲームのTシャツを着ながら日本のテレビに映り観光しながら、外貨を日本に落とす。
アジアの学生が「声優ライブに参加するのが夢で日本を留学先に選んだ」という時代になった。
これらの趣味は不況の日本では、とても魅力的だった。これらの環境の激変は、残念なことにあまり左派的価値観は関係ない。
表現規制反対という縁の下の力持ちであった左翼運動や左派政治家はたくさんいたが、これらの開放という意味では、政治の力はあまり力になっていない。
そうした亀裂がオタクはネトウヨになりやすいという俗説で爆発する。
オタクからしてみたら、「オタクはネトウヨになりやすいなど理不尽なバッシング」だし
左翼からしてみると「オタクは俺たちの手によらず一般に受け入れられた恩知らず」に映った。
そうして左翼の中から、表現規制が始まるのだが、今までの左翼は左翼であんなキモい奴らと思っていたんだろう。
ここ最近、政権を攻撃するときには必ず相手をオタクに支持されているという言説が出てくる。
オタクが与党政権を推しているというのは理論の飛躍なのだが、しかし政権打倒の一環としてのオタク攻撃は多い。
急進的政権批判者は極めて高い確率で、オタクをバッシングする。
左翼のオタクほど、オタク全体を裏切り者の集団として考えるようだ。
https://togetter.com/li/1263172
さて、エヴェンゲリオンの使徒のアイコンを使うと言う時点で、もうすでにオールドなオタクに分類されるだろう。
そういう人物が、オタクを迫害する自由が認められない、と叫んでる。
この捻じくれた愛憎は、一体どこへと向かうのか?
興味は尽きない。