2018-08-21

役者の演技が下手なのは、何も役者だけのせいじゃない

anond:20180821141938

中学生でも演技ができると書いているように、時間をかけて適切な演出稽古をできる環境があれば、誰でも人に見せられるレベルの演技はできるものだ。

(もちろんできない人だっているが)

ではなぜ日本映画ドラマ役者が下手かといえば、要するに適切な演出稽古や、脚本の読み込みがされていないからだ。

何事もそうだが、練習を重ねれば当然うまくなる。

しか練習には時間がかかる。そして現場では時間をかけることに一番金がかかる。一番の費用人件費なのだ

監督や主演俳優など、特に金のかかる主要メンバーで長時間の打合せをして、基本から鍛えて演技のレベルを上げるという全世界で当然の作業が、金のない日本現場はできないのだ。

昔ながらの役者も、今の現場の悪い点として監督演出や指示を出さないことを挙げている。

そうやって適当な演技で済ませた方が、作業効率もいいし楽なのだ

(ジブリブラック企業かという話もあったが、創作で楽をするというのはこういう結果になりがちだから悩ましい話)

こうして、大声を出したりやたらと手を動かすことが感情表現だと思っているようなひどい演技が出来上がる。

だが、大御所を除く映画監督給料が一本平均100万、役者映画よりCMの方が何倍も稼げるという話を聞くと、あまり彼らを責める気にもなれないのだ。

テレビ局資本映画で、言うことを聞いて適当仕事をした方が金も入るし顔も売れるということならば、仕方がないと思う。

同じ役者でも演出する人間が変われば演技がまるで変わる例としては、シン・ゴジラ進撃の巨人がわかりやすい。

ちなみに歌舞伎の影響云々については、オリエンタリズムへの憧れで見誤っている意見のように感じる。

逆に、下手な演技を許す日本映像界に、伝統芸能へのリスペクトなどを感じるだろうか?(上記シン・ゴジラ野村萬斎を起用しているが)

見栄の所作など、今尚息づいている伝統もあるとは思うが、それ以前の問題が大きいので基本的には関係ないだろう。

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