最初は単なる森元の思いつきかと思っていたら安倍首相が自民党に議論指示したと報道されて本気モードになった。
なぜ突然にサマータイム導入が議論されなければならないのか、これは自分だけでなく誰もが思う疑問だと思う。五輪対策なら競技時間のほうを変更すればいいだけだ。五輪のテレビ中継の海外放送時刻と競技時刻との調整がいつも注目される中で、サマータイム導入のニュースではそのことが一切言及されないのはおかしい。今回のサマータイム議論は、目的が全く意味不明だという点が、今までの議論との違いである。
これは議論を起こした側も、サマータイム導入を本気で狙っていないということだ。「五輪のためのサマータイム」であるはずだが、未だに選手の一人もサマータイム導入支持を表明していない。顔と名前を出してサマータイム導入を推進すると名言してるのは、自民党の森元五輪委会長と遠藤副会長だけである。
第一に自民党総裁選の報道を減らす目的がある。サマータイムは政治ネタだ。サマータイムで枠を使えば自民党総裁選のニュース放送も減る。総裁選は、安倍圧勝の結果は確実だが、石破が何票獲得できるかが争点となっている。安倍としては石破の露出を減らしたい。そのための、このタイミングでのサマータイムの投下だ。
第二に臨時国会での争点逸らしの目的だ。安倍首相は秋の臨時国会で自民党から改憲案を提出すると名言した。そんなことになれば報道は憲法改正議論一色になるはずだが、そこでサマータイムである。夏に自民党に指示していたサマータイム法案を臨時国会で提出させる。世論としてはサマータイムのほうに目が行ってしまい、野党もサマータイムの議論に対応せざるを得ない。サマータイムは国会対策の先の先まで読んだ自民党の計略の一つである。