山賊は定期的に麓の村の金銀食料を奪い、若い村人を連れ去った。
ある年、この傍若無人の山賊どもを討伐する為に役人が兵を山賊の砦に送り込んだ。
結果、首魁は捕らえられ山賊は壊滅した。村に再び快適な生活が戻った。めでたしめでたし。
しかし山賊からすれば、快適な生活は奪われた。
首魁は言う「俺達は生活に困っていた。しかたなかったんだ。」
時は過ぎ21世紀。
自動車同様に自転車の危険行為を取り締まる為、政府は有名無実だった自転車の厳罰化をさらに強めた。
かくして歩道での事故死傷者は激減し、速度超過や標識無視などの違反行為の数も自動車並の数となった。
検挙されたサラリーマンは言った。
「日本の道が未整備で不便すぎるんだ。しかたないだろう。」
警官は返した。
「なぜ貴方はそこにある自転車レーンを走らずにわざわざ歩道でスピードを出して走ったのですか?」
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