近々痔瘻の手術を行うことになった。
10年以上前に初めてお尻の横から膿が出た。あまりのことに驚いたが、その頃まだ若かった私は羞恥心の方が勝り病院に行けなかった。数日経つと膿も収まり穴らしきものもなくなった。だから余計に病院から足が遠のいたのだ。
その後も何度か膿が溜まり破れて出てきたのだが、最初の経験から数日で収まることを学んだ為放っておいた。
それから10年の間に結婚して子供を1人産んだ。妊娠中にも元々患っていた痔が悪化した。しかしその時も肛門科の病院に行かず、産婦人科の先生に痔になったので薬をくださいと言って、いただいた薬でなんとか凌ぐことができた。
だが数日前に新たな痔ができ、市販薬を使っても痛くてたまらないので、観念して病院に行ってきた。そこで見てもらったら一目で痔瘻を見つけられ、早期の手術を勧められた。
自宅に戻り、ネットで痔瘻の手術の体験談を検索し、片っ端から読み漁った。どれもかしこもかなりの痛みを要すること、しばらくは日常的に歩くことも困難なこと、完治まで時間がかかることが綴られていた。
10年放置した痔瘻はさぞや凄まじい事になっているだろう。手術の時に全貌が明らかになるが、術後はかなりの痛みを要することが想像できる。
私にはもうすぐ2歳になる子供がおり、夫婦共働きの為保育園に預けている。主人の仕事の時間が長時間の為、主に母親である私が保育園の送り迎えをしており、その方法は自転車である。術後は歩くこともやっとなのに自転車で子供の送り迎えをできるのか。徒歩では大人の足で20分ほどかかる為、自転車に乗れないと絶望的である。
また、そろそろ2人目が欲しいと考えていたが治療が終わるまで妊娠をお預けしないといけないかもしれないという可能性がある。私はもう間も無く40歳を迎えるので、できたら早めに2人目が欲しい。
そして、10年以上、痔であることを誰にも言わずに過ごしてきたが、流石に配偶者には打ち明けなければならない状況になった。
上記の3点の事を考えると本当に憂鬱な気分になってしまい、一日中心あらずで過ごしてしまった。こんな事なら最初の膿が出た時点で病院に行っておけばよかった。その頃ならまだ独身で一人暮らしだったから一人でひっそりと治療できたのに。術後の生活も自分の事だけ心配するだけで済んだのに。本当に私はなんてバカなんだ。情けない。