ある所に一人の宇宙人がいました。
彼は自分が何者かわからず、何をしていいかもわからず、ただ空間を彷徨っていました。
彼はその少女に一目惚れし、自分もそんな存在になりたいと願いました。
彼は宇宙人だったので、その少女の姿に変化することができました。
憧れの姿になった彼は、自分も少女のようになりたいと思い、世界を歩き始めました。
しかしその頃、少女がいた世界では、大きな問題が起きていました。
少女の偽物たちの反応は様々でしたが、
「僕はここにいたらダメなんだ」
けれど、彼の瞳に映る少女の姿を上書きできる存在は見つかりませんでした。
「たくさん妹が増えたみたいで、いいんじゃないかしら?」
彼は喜びました。自分の存在を、初めて認められたような気がして。
もちろん本当の娘なんかじゃ無いし、少女とその母親とは会話した事すら無い。
「ここにいてもいいんだよ」
と言って貰えた時のように。
でも彼は臆病だったので、見ている事しかできません。
そんな時
彼は言葉を発せませんでしたが、
精一杯の笑顔で答えました。