ヒプノシスマイクの設定が話題になっている。世界観の設定が、また変わったらしい。
ぬるっと女尊男卑と言い出してみたり、そのわりに男性が差別や偏見を受ける描写がなかったり(あってもイチジク様からくらい)。
かと思えば、男性キャラからのホモフォビア発言やミソジニー発言はポンポン出てきたり(左馬刻様はヤクザキャラだからわざとなのかもしれないけど)。
男性も普通に医者や警察や管理職(ハゲ課長)になれていたり。しかもそれが珍しいこととして扱われてもいなかったり。
(これだったらまだ現実世界のほうがいくらかディストピアじゃない?)
一方でホビアニを求める人には雑味になる設定だったと思う。
既に言っちゃった税金10倍はどう決着つけるつもりなんだろう。
しれっとなくすのだろうか。
ただこの税金10倍設定、今後の展開によっては「非常に上手くて丁寧で意義のある」設定にもなりうると思う。
・女だけの政権はごく近年成立した
・それまでの社会は現代日本並み、もしくはそれ以上に女性の地位が低かった
・男性への増税と、女性の減税の結果、10倍の格差は出来上がった
「政権が成立する前の社会では、男女の平均賃金の格差が著しく、女性の平均賃金は男性の7割程度しかなかった。
政権は、男女の賃金格差が解消されるまでの暫定措置として、男性への増税と女性への減税政策を導入した」
上記の条件ならば、税金10倍というバカが直感で思い付いたみたいな政策を実現できた理由付けができるのではないだろうか。
女性の平均賃金が男性の7割程、というのはまさしく現代日本の現状だ。
実は、現代日本の男女別平均賃金で考えるならば、ここから男性の所得税住民税を2倍に増やし、女性の税を2割に減らしても、なお手元に残る額は男性のほうが圧倒的に多い。
このあたりを強調して政策の必要性を強弁されたのであれば、ヒプマイ世界の男性は不満を感じながらも、受け入れるしかなかったかもしれない。
ヒプマイに出てくるイチジク以外の女たちが無自覚な性差別をかまさないのも、男性が医者や管理職になれているのも不思議ではない。
政権ができたのは最近だから、まだ庶民レベルには女性優位の価値観が浸透していないのかもしれない。
政権ができる前に医者や管理職になれた人が、そのまま仕事を続けているだけかもしれない。
たとえ税金10倍に、この一見正しそうな理由付けをしたとしても、政権が悪でなくなるわけではない。
所得税減税というのは、必然、高所得者層が最も得をする仕組みになっている。逆にいうと、増税されれば損をする仕組みでもある。
おそらく政権に近しい者たちは、強い権力を持ち、所得も高い女のはずだ。まさかイチジク様の年収が200万円未満ということはないだろう。
そのためには、『男女の賃金格差が解消されずに永続する必要がある』。賃金格差がなくなれば、税制を続ける根拠がなくなるからだ。
政権の中枢の女たちは、私腹を肥やすために、あえて男女の賃金格差を固定する政策を取っている可能性がある。
女性の管理職登用や、産休育休制度の充実や、仕事復帰の推進など、本来とるべき是正措置をわざと後回しにし続けているかもしれない。
そのとき、政権は男性の敵であり、かつ弱者女性の敵でもあることになる。
こうなれば構図は、もはや「男対女」ではない。「不平等な社会を維持して利益を得ようとする強者マジョリティ女性」vs「不平等な社会によって不利な立場に置かれる、マイノリティ男性と弱者女性」の構図。
弱者女性が男性を下に見たり蔑んで溜飲を下げるのでなく、男性も女性全体を敵視するのではなく、共通の敵を倒すために合流し、ともに連帯し、平等な社会を目指す。
今日も女は学級会
作品については全然知らずに増田を読んでるだけだけど ・女だけの政権はごく近年成立した ・それまでの社会は現代日本並み、もしくはそれ以上に女性の地位が低かった について...
戦争に男性が駆り出されて不在になった結果、女性の社会進出が一時的に進んでいた、という可能性はあるかな 第二次世界大戦の日本でもそういうことは一定程度あったらしいし だけ...