あまり自信ないが、誰かが適当に書いておけば別の誰かが補足してくれるだろう。とにかくこの二つの動詞を混同している人が多すぎる。誰かが指摘しなければならない。
まず、原形の確認から。「間違った」の原形は「間違う」。対して、「間違えた」の原形は「間違える」。「間違える」は他動詞で、原形でも過去形でも連用形でも頻繁に使われる。なにかを正しく行わなかったときに使う。他動詞だから目的語がある。「言葉の使い方を間違える」とか。一方で「間違う」は、原形で使われることはあまりない。ほとんどの場合連用形か未然形である。「間違う」が原形で使われることがほとんどないことが混乱の一因であるように思う。
この二つの動詞、「間違う」と「間違える」の違いは大きく分けて二つある。自動詞か他動詞かと言うことが一つ。もう一つは、動作を表すか状態を表すかと言う違いだ。
まず、自他について。
「間違えた」は、他動詞であり、「なにを」の部分がなくてはならない。もちろん、なくてはならないというのは、必ず発音されるという意味ではない。「なにを」の部分は意味としてだけ存在していて口にはされないこともある。
一方、「間違った」は、主として自動詞であり、「なにを」の部分は基本的に存在しない。「なにが」のみが問題となる。ちなみに、「間違う」は、「間違える」の代わりに使うことができる。この場合はもちろん他動詞である。ただし、「間違う」の代わりに「間違える」を使うことはできない。この非対称性も混乱の原因かと思う。
「間違えた」と言ったら、過去の瞬間的な動作として、何かを間違えたと言う意味である。たとえば、「漢字の書き方を間違えた」と言うのであれば、漢字を書くと言う動作をしている瞬間に、その書き方を間違えたと言う瞬間的な動作を表している。
他方、「間違った」は、状態を表す語である。「漢字の書き方を間違った」とはまあ実は言えないわけではないのだが、それは先述したように「間違える」の代わりに使えるケースだからである。繰り返しになるが、「間違う」は「間違える」の代わりに使うことができるが、「間違える」を「間違う」の代わりに使うことはできない。例えば:
「あなたは間違ってる!」
とヒロインが悪役に言う時、きっと悪役は「なにかを」間違えたのであろうから、他動詞として「間違えてる」といえそうな気もするが、「間違ってる」というのは別に悪役が過去の動作について何かを間違えたということを言いたいのではなくて、現在の状態として、こいつは間違っているということを言いたいのだから、状態を表す「間違ってる」を使わなければならない。
まとめると、