現実の仕事ではなく、FF14というオンラインゲームのジョブの話だ。
かれこれ4年ほど毎日のようにやっていたが、好きだった部分を調整で丁寧に潰されて行きとうとう無くなってしまった。
FF14はロール制のオンラインゲームで、ジョブにはそれぞれタンク・ヒーラー・アタッカー(ゲーム内ではDPSという名称だがいまだに違和感)というロール(役割)で分かれている。
その中で学者は、バリアを張って敵の攻撃を軽減しつつ回復するタイプのヒーラーで、フェアリーというペットを引き連れている。ペットを連れているので、ペットジョブとも言う。
入れ込んでいた理由は単純で、ロール制でペットジョブかつヒーラーという、これ以上ないニッチな需要に答えてくれていた点これに尽きる。
初めの1年ほどは、フェアリーの挙動全てが愛おしかった。本体のバリアはいまいち楽しめなかったが。
細かく指示を出す為にゲーミングデバイスを買い揃えたし、ゲーム内の操作やコンフィグ、仕様を穴が空くほど調べた。バグを公式に報告したこともある。
ただひたすら、勝手に行動するフェアリーに細かく指示を出し、意のままに操ることでパーティーを支えるのが気持ちよかった。
時たま見せるフェアリーのおバカな行動に悩まされることも楽しかった。とても。
アップデートの度にコロコロ仕様が変わるフェアリーの行動にもかなり悩まされたが、パッチノートに記載されないフェアリーの行動ロジックを検証する作業も含めて全てが好きだった。
雲行きが怪しくなってきたのは、最初の拡張パッケージが発売された時だ。レベル上限が引き上げられ、学者にも新しいアビリティが追加された。
その中には転化というフェアリーを生贄にし、一定時間学者本体の回復魔法の効果を強化するアビリティがあり、かなりの衝撃を受けた。
さらには、フェアリーの計算式が変更され回復量は弱体化した上に他のアビリティも強力だった為、二人で一人前なバランスは無くなり次第に学者のおまけ・非常食のような扱いになって行った。
とても辛かった。徐々に気持ちが離れていった。
そして、今回のアップデートで常にプレイヤーの指示を優先し、忠実に実行するラジコンとなってしまった。それも、初めてパッチノートに仕様変更が明記された状態で。
そこには愛したフェアリーというペットはもうおらず、無限に回復を吐き出す為に設置されるフェアリーという名の物体が残っていた。
好きな時に使いたい技を選べば、吐き出してくれる。選ばなければ、ダメージを受けてる味方を勝手に回復してくれる。
たしかに便利だと思うし、コミュニティも操作感に関しては歓迎しているように見える、戻すべきではないのだろう。
ただし、愛でていたフェアリーは物になってしまった。もはやペット、いや、パートナーではない。
変わり果ててしまったフェアリーを動かしたいとは到底思えない。そろそろ潮時だろう。
これがオンラインゲームのペットに入れ込んだバカの末路である。
外に吐き出すかかなり迷ったが、ここに書くことにした。