祖母は〝畑仕事こそ正義〟〝畑仕事をしないと死ぬ病〟で、足が不自由なのに無理矢理畑に出て畑仕事をする。
そして人の予定お構いなしに手伝わせる。
「畑に連れて行け」
「野菜を直売コーナーに出荷しに行け」
断ると
「じゃあ1人でやる。どうなっても知らない」と脅す
いくら手伝ってあげても
「手伝って当たり前のこと」
「遅い。早くしろ」
「こんなこともやってくれないのか」
「近所の人に挨拶するな。お前は恥ずかしい」
就活のために断ると
「お前が休んでる間に枯れた」
用事が終わって手伝いに出ると
「おはよう。やっと起きたの」
と嫌味を言う始末
数年前から軽度の薬を飲んでたけど、それも飲まなくなっていた。俺は一人暮らしをしていたんだけどみかねて実家に帰ってきた。
そしたら、声をかけても無表情、風呂にも入らず、外にも出ず、人とも話さず、薬も飲まず。祖母には介護の恨みからか、大声で口撃するDVのようなことまでする。思ったより重態だった。
そこで、毎日の薬を俺が出してあげることにした。初めは飲んでくれなかったが、俺に悪いと思ったのか飲んでくれるようになり、数ヶ月したら自分で飲むようになった。
祖母に役立たずだと思い知れば手伝わされずに済む。家庭で最も弱者に立てば母も「私がしっかりしなきゃいけない」と思ってくれるかもしれない。
そんな単純な考えだ。深く考えてはいない。
まず、朝は遅くまで寝て、顔を合わせても挨拶せず、目は虚ろで無表情、びっこ引いたように歩く、食事の片付けもしない、食べ終わったら布団に直行してずっとスマホをいじる。祖母に呼ばれて手伝いに行っても壊れたロボットのように振る舞う。
三日間ほど続けてみた。
祖母は俺に手伝わせようとしなくなった。
母は俺のことを心配そうに様子を見て「どうしたの大丈夫?」声をかけてくるようになった。
これからどうなるだろうか。
「俺が頑張ったところで祖母の人間性が今さら変わるわけじゃないし、足が良くなるわけでもない。それに母は依然として態度を改めようとしない。だったら無駄な努力をなくそうとするのが合理的だろう」
そう考えると本当に鬱で引きこもりになりそうだ