2018-05-05

父親との殴り合いに快感を覚える

父は短気で神経質だ。教科書玄関に置きっ放しだとか、洗面台が水浸しだとか、どうでもいい、些細なことで私を叱りつける。大抵の場合、ほぼ100パーセント私が悪いのでそれは一向に構わないのだが、命令されたことは是が非でもやりたくなくなる捻くれた根性をしている私は、お決まりの「やりたいやつがやればいい」節を繰り出す。父は正論を振りかざして怒鳴ってくるので、私は意味不明の持論で対抗するしかない。そうするとすぐに、怒りっぽい父の頭に血が上り、私の両手を強く掴み、引っ張って連れていく。一生腕に痣が残るんじゃないかと思うほど強く掴む。意地でも服従したくない私は掴まれた両手が振り払えないと分かると、父の右腕に思い切り噛み付き、踵に力を入れ正面から腹を蹴る。興奮で心拍数が上がって、頭が熱くなる。父親相手でも手加減はしない。もうすぐ成人とはいえ、女の本気など通用しないだろう。父の右手から左腕が解放されると、その勢いにまかせてろくに狙いもつけずに殴りつける。父も負けずに殴る。殴られながら殴りまくる。身体中の産毛が奮い立ち、相手を殴るたびに快感で頭がいっぱいになる。脳と視界が興奮で揺れる。諦めた父が両手を私から放したら殴り合いは終了である。掴まれた腕と殴られた胸がヒリヒリ痛むが、快感はなかなか覚めない。自室に戻っても立ったまま腕を組んで余韻に浸る。こうして毎度の殴り合いは私の勝ち逃げに終わる。普段私たち普通に2人で釣りに行くレベルの仲良し父子であるが、月2回ほどの頻度で勃発する親子喧嘩は毎度殴り合いになることを友人に言ったらドン引きされたし、冷静に考えたらただのヤバい奴でしかなくて草。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん