2018-05-04

ソープ童貞を捨てた話(つづき)

昨日投稿したら増田文字制限にひっかかった。8000字が限度っぽい。

前半はこち

https://anond.hatelabo.jp/20180504170139

はじめてのセックスについて

その後、僕はフェミニズムの文献をあさるようになった。性の問題についていけるところまでいってみなければ自分の気がおさまらなかった。僕は男性ジェンダー批判的になり、一度は大学に「復帰」したものの、卒業しない方が政治的に正しいと考えるようになった。なにかと特権権力自己批判するようになり、両親は僕が宗教にでもはまったのではないか心配したらしい。

実際、フェミニストの方と(特に男性中心主義社会との闘争を掲げ、意図的男性蔑視する方と)交流することで、僕は自己肯定感性的主体性を失っていったと思う。いいかどうかは別として、フェミニズムにはそのような攻撃性があり、多くの男性防衛的になるのもあるていどやむを得ない。

また、僕は性欲を男性に向けるように努力し、自分が犯されたり、屈辱的な目にあうことを想像しながらアナルオナニーするようになった。

そしてある界隈に足を運び、男体持ちで僕に性的関心を向ける人と出会いセックスした。そのときは緊張したが、僕は無事に(?)勃起し、相手ペニス自分アナルに入れ、自分ペニス相手アナルに入れて射精した。

しか性的関心はある程度社会的に構築される、つまり教育や啓発によって、自分の中の異性愛同性愛傾向を抑圧したり強化したりすることができると思う。しかし、僕はその男体持ちの人に、前の彼女に感じた執着を向けることができなかった。二人の関係は「セフレ」だと伝えたつもりだったが、反対に、その人は僕との関係に本気になった。僕はその人に対して自分セクシュアリティ(正しい綴り!)をはっきり伝えることができず、なしくずし関係が始まり、深まっていった。

その人は性的マイノリティであり、IQは高いけれども安定した人間関係を続けることが難しく、広義の「弱者男性」と言えると思う。そしてアカデミックキャリアが行き詰まり、安定した仕事につけず、セクマイ界隈の一部とも関係悪化し、追い込まれていくことで僕への性的依存を徐々に強めていくようになった。非モテ男性が異性の恋人によって一発逆転を夢見る心理は、同性の恋人においてもある程度あてはまるのかもしれない。

その人は、フェミニズムを受け入れ積極的コミュニケーションを取れない「おとなしいコミュ障」の僕のことしか知らない。哲学科学の一部の分野では僕が堂々と自己表現し、ときには攻撃的にすらなれることを知らない。その人は僕に対して容赦なく感情を爆発させるようになり、僕は一度は距離をおいたものの、あるセクマイイベントで再会したのをきっかけに引き戻されてしまった。

僕はそのときも、もうあなたと別れたいとつっぱねることができなかった。その人は、僕と恋人関係にあることを堂々とまわりにアピールしている。僕はそのイメージに流され、僕の意思は違うのだということを言えないままに、あいまいな笑みを浮かべつづけていた。

その人は僕にさら感情的・性的依存するようになり、僕は強くなろう、対処法を編み出そうと必死で本を読んだ。google:別れる? それともやり直す? カップル関係に悩む女性のためのガイド男性ジェンダーとして傷つくことも多いが、つらい関係を終わらせることができるという希望も与えてくれる。ウ・ジョーティgoogle:自由への旅しんどいときつまみ読みした。マインドフルネスモチベーションを上げてくれ、1時間程度の瞑想ならできるようになった。あと、google:ツァラトゥストラフェミニズム奴隷道徳だ、権力肯定超人を目指せ!と言っているようで心にしみた。

はじめてのセックスワークについて

さて、けっきょく大学中退した僕は派遣登録して社会人になった。今は大手メーカー工場生産管理をしている。

新しい仕事住まいがあるていど落ち着いたところで、売り専登録した。応募はとても緊張した。メールを送ろうかどうか、一か月近く迷っていた。意を決して送信した最初の店は落ちたが、次の店はやとってくれた。

売り専で働く直接のきっかけは、セックスワークについて知り、さらに、男性ジェンダー性的対象として消費される経験をしてみなければと思ったからだ。友人にもフェミニズムの影響でちょっとだけ売り専をやったことのある人がいた。それに、僕はなんだかんだセックスが好きで、性的関心が強く、その方向で自己実現(?)してみるよいチャンスだと思ったのだ。もちろん、異性にモテセックス相手に苦労はしないという実現のしかたもあるが、身長が低く押しも弱く吃音気味の僕にはどう転んでもできそうにない。でもそれは性的対象としてはむしろ強みになるんじゃないか

実際にやってみると、自分性的価値があり、それにお金を払う人がいるということは自信になった。僕を指名するひとや、リピーターになる人がいた。僕を買う人はいつも僕の容姿を褒めてくれた。年配の人はチップをくれたりご飯をおごってくれたりした。

あと、僕は中一のときに一度痴漢に遭ったことを思い出した。トラウマとかではなく、自分にはちゃん性的魅力があったという気づきとして。

僕は男性だが、性的主体でそれ自体性的価値はないという生き方は向いていないと思うし、男性として性的対象とされることは僕の性に合っていると思う。女性から自分性的対象として見られることを意識できるようになり、ファーストキス彼女が唇を濡らしたように、僕も性的駆け引き手段を使っていいのだと思えるようになった。

それに、身だしなみをよくして堂々としていれば、多少のいじりにたいしても動じないし、そのうち相手も一目置くようになるという自信を得た。化粧やファッションが「武器」であり、自分を「戦闘モード」にできるという言い方を女性がすることがあるが、僕もその意味がわかることがある。また実際、その攻撃はある程度効いていて、「向こうが誘ってきたんだ」と言い訳したり二次被害を与えたりする男性性的駆け引きにいつも負け続けているのだろうと思う。

閑話休題。得るものは得たと思ったし、またセックスワークを続けることの危険も感じたので僕は半年ほどで売り専をやめた。いままで、僕を買ってくれた人はおおむね常識をわきまえていて、無茶なことはしなかったし「痛い」と言えばセックスを止められた。でも、どこかですごく乱暴な人に出会うかもしれない、という不安をなくすことはできなかった。新しい人とやるときはいつもすごく緊張した。

ちなみに、僕が売り専をしていると知ったとき、当然かもしれないが彼は激しく動揺した。僕がその人以外の人とセックスしていることが耐え難く辛く、またセックスワーカーという挑戦を僕がしたことで、自分が追い越されたと感じプライドが揺らいだのだと思う。

性風俗に対する強い嫌悪感共感することは、僕には難しい。恋人風俗で働いたり風俗に行ったりしたことが分かって苦しんでいる(男性女性の)記事を読むと、こんなに傷ついてしまうのかとやるせなくなる。

もちろん、彼を深く傷つけたと思う。ただ、僕がその人とセックスをするそもそもきっかけは、フェミニズムセクマイの主張に興味があったからだ。売り専をしたのもそのためであって、新しい恋人がほしかたからではない。その人は性にまつわる社会問題知識豊富だったので、僕の行動にできれば理解を示してほしかった。

しかしこの一件で、僕はその人に対して「治療者」として振る舞おうと決心した。僕はあなた恋人にはなれないということをどこかで伝えなければいけない。しかし当面は、その人が立ち直るのをサポートしようと思った。

はじめてのソープについて

そういうわけで、やっとソープの話です。ここまで読んでくれたひとがいるのだろうか…。

僕はこうしてそれなりにセックス経験したけど、女性の膣に自分ペニスを入れるというセックスだけは一度もしていない。ほんとうは、それは最初に僕を選んだ彼女にあげたいとどこかで思っていた。そういう執着はよくないのかもしれないが、どこかで自分はまだその人の特別存在になれると思っていた。

しかし、バンクロフトをはじめDV関連の本をあらかた読みこみ、それはDV加害者被害者依存する心理と同じであり、僕と別れることをえらんだ彼女に対する甘えであり、僕自身もその人との恋愛から「卒業」しなければならない、と考えるようになった。僕がその人を傷つけたから、その人は別れることを選んだのだと理解できるようになったと思う。

その一方、売り専をやめたことへの区切りもつたかった。僕はずっと自分を売ってきたが、同じように身体を売っている女の人が何を考えているのか知ってみたかった。それでソープに行く必要はないのかもしれないが、それ以外にチャンネルを知らないし、政治的連帯というよりはふつうに話しを聞いて体験を共有してもらいたい。もちろん向こうは異性愛男性サービス提供するつもりでいるのだから、そんなことは他でやってくれと思うかもしれないが、こっちだってそれなりにお金を払うのだから時間の使い方に多少の自由は許されると思った。

それに、その目的が達せなくても、ふつう異性愛男性がどういう性的サービスを受けているのかを体験しておくのも意味があるだろう。とかなんとかいろいろ理屈を考えて、ようやく決心して、ソープの予約を入れた。

まとめ?

僕はどちらかといえば、同性や異性に性的サービスをする方が向いているような気もするし、もしそういう仕事があればやってもいいと思う。しかし僕の性的価値がある間に異性に体を売るサービス一般的になることはなさそうだ。映画google: 娼年を見たけど、お金を払ってあん乱暴セックスはしないだろう。まだファンタジーの域を出ていないし、誰か貞操逆転世界な方向でもうちょっとリアル作品をつくってほしい。

そういえばソープに行く前に、何を思い誤ったかYou Tubeに落ちている女性向けシチュエーションボイスを一晩聞いて「予習」した。本番でまったく使えなかったが、こういうサービスなら僕にもできると思う。

もう少し言うと、異性愛男性リラックスして射精するというのは分かるのだが、異性愛女性リラックスしてペニスを入れさせるというのがサービスとして成立するのか?成立しないなら、どういう男性がどういうサービスをするなら成立するのか?そういう需要ホストクラブとかの風俗がどの程度満たしているのかも、ぼくにはよくわからない。レズ風俗が成立しつつあるように、やはりケア役割女性にとっても女性の方が向いているのかとも思います

そのときは、男性性欲は男性で解消してもらうのが理に適っているのではないかな…。文句ソクラテス論破してから言ってください。

記事への反応 -
  • 「ソープに行け」と言われたわけではないけど、25歳でソープランドに初めて行った。 そこで「童貞」を捨ててきた。つまり、相手の膣に自分のペニスをいれた。 僕の今までの性体...

    • 昨日投稿したら増田の文字制限にひっかかった。8000字が限度っぽい。 前半はこちら https://anond.hatelabo.jp/20180504170139 はじめてのセックスについて その後、僕はフェミニズムの文献...

      • おもしろかったけど、頭でっかちだなあと思った。 あんまし性にこだわりが無くて、でも前頭葉的な興味はあるタイプと見た。性に振り回される人達よりも、ある意味楽かもよ。

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