■恋の病
恋の病とはよく言ったもので、忘れようと思っても忘れられるものではなく、ふと気がつくとその人のことを思い出しては胸が息を吐き尽くしたような感覚で支配される。日常を過ごせば、例えば雨が降らなければ両思いだとかくだらない恋占いを無意識に行う。自分は不器用なので、恐らくその人と話しているときはにたにたと笑みを浮かべていて、好意は相手にも第三者にもわかるものだと思うが、相手もまた同じようにかわいらしい笑みを浮かべながら自分に話しかけては1時間以上話し込んでしまっている。その人と話している間だけは息を吐き尽くした肺に酸素が行き渡るような感覚に陥り、このままずっと話していたいと強く感じる。
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