2018-04-22

1万4千円

酒に飲まれた夜は人肌が恋しくなる。

酔いに任せて入店したオールハンドプライベートメンズエステサロンで、シャワーを浴びた私は、控えめな紙パンツを履いてうつぶせになる。

ショートヘアの彼女は私の両足をフェザータッチくすぐりながら、メンズエステなんて存在を知らなかったけど、友達に誘われて働きはじめたんです。

最初風俗じゃないの?なんて思っていたけど、ぜんぜんそんな変なものではなかったですね!たまに勘違いしてらっしゃるお客さんもいるけど。と笑う。

いちいち彼女の話に相槌をうってあげていると、次第に眠っていた理性も目を覚ましてくる。

わざとらしく配置された鏡越しに彼女の太ももが目に入る。ミニスカートの中に短パンを履いている。

仰向けになり、足の付け根の、神経が1本も通っていないところを丹念に撫でられているうち、ゲームセットホイッスルが鳴り響く。

紙パンツゴミ箱に入れてシャワーを浴び、愛想笑いもうまくできぬまま店を後にする。

酒に飲まれた夜は塩分が恋しくなる。

帰り道、テイクアウトした牛丼は380円だった。

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