2018-04-09

もう一度だけでいいから読みたい二次創作小説がある

もう一度だけでいいから読みたい二次創作小説がある

本気で好きだった二次創作文字書きさんがいた。この人を仮にAさんとしよう。

初めてAさんの小説を読んだ時に「これが天才か」と本気で思った。素晴らしい世界観伏線の数、圧倒的文才が紡ぐ文章に私は心奪われた。すぐに他の小説も片っ端から読んでいった。読まずにはいられなかった。全てクオリティが高く、読んだ後の私はある種の達成感に浸り放心状態だった。

でも私とAさんのジャンルが被ったのは一作品だけだった。更に言うなら被ったそのジャンルでAさんが書いていたCP小説は私の守備範囲外のCPで、ぶっちゃけCPの方が本命、まであった。それでもAさんの小説が好きだった。逆CPなのが気にならない程に素晴らしい作品だった。

Aさんが別ジャンルに移った時、Aさんの小説を読みたいがためにわざわざアニメを、少し視聴した。二次創作を読みたいか元ネタを見るなんて本末転倒にも程があるのは分かっていたが、そんなもの関係ないと言わんばかりに、今まで1mmも興味の湧かなかったアニメを見ていた。



ある日気づいたらAさんの作品は全て削除されていた。

Aさんの更新頻度はどちらかというと低いほうだった。しかも当時の私の本命ジャンルとはかけ離れたジャンル小説をAさんは書いていたので、私は更新チェックを怠っていたのだった。

なぜ削除されたのか、理由が知りたくて私は私が知りえるあらゆる方法検索をかけまくった。

調べて分かったことは、Aさんの活動の休止に伴って今までの作品Twitterアカウントを削除した、ということだけだった。

その時私はあの、Aさんの作品で初めて読んだあの、この人は天才だと思わずにいられなかったあの作品が読みたくてAさんのページにアクセスしたのに、全て削除されていたこ喪失感。正直耐え難かった。

それから私はどうにかあの小説が読めないだろうかと模索し始めた。魚拓でもなんでもいいからとっておけばよかったと本気で思った。むしろ誰かがとった履歴が無いか3つくらいの魚拓サイト確認した。そんなこと考えるのは私だけみたいだったけど。

結論から言えば私はあの小説を再度読むことは出来なかった。

ネットにあげたものは一生消えることはないと言われる現代で、私はあれほど好きだった小説を見つけることが出来なかった。

だが、収穫がなかったわけではない。

Aさんの小説が読みたくて私がアニメをわざわざ見たあのジャンル小説なら、私のPCに何故かtextファイルで残っていた。私は嬉々として小説を読んだ。

素晴らしかった。保存しておいて本当に良かったと思った。

でも、素晴らしかたからこそ、私はあの初めて読んだ小説がまた読みたくて仕方がなかった。

わがままだ。

Aさんが作品を削除してから1年半の時間が過ぎた。もう見つけられない。

しかしたら、あれだけの小説を書くAさんなら、また別名義で小説を書いているかもしれない。でも、見つけられない。

イラストなら、ハンドルネームを変えても絵柄や色塗りの特徴で気づくことはあるが、小説ハンドルネームを変えた人を見つけられるとは思えない。

少なくとも私には無理だ。

それでも、読みたい。

タイトルに「もう一度だけでいい」と書いたが、こんなの嘘っぱちだ。

しまたあの小説を読めるようになったなら、魚拓でもコピペでもスクショでもなんでもいいから保存して、何度も何度も読み返すのだろう。私はそういう奴だ。

いまだに私はAさんの小説特にあの初めて読んだ小説のことを思い出す。

あの小説が読みたくて読みたくて堪らない。

はいつまでたってもあの小説に魅せられ、囚われ続けるのだろう。

もうお目にかかるとこは一生ないのだろうけれど。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん