むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
おばあさんは川へ洗濯に行くと、川上から「どんぶらこ、どんぶらこ」という訳の分からない音を放つ大きな桃が流れてくるのを発見しました。
持ち帰って割ってみると、中から小さな男の子がでてきました。「桃太郎」と名付け、大切に育てました。
「おじいさん、おばあさん、鬼退治に行ってくるよ」
桃太郎が鬼ヶ島を目指して歩いていると、一匹の猫が話しかけてきました。
「桃太郎さん、お腰につけたきびだんご、一つわたしにくださいな」
「鬼の征伐についてくるならあげましょう」
猫が仲間に加わりました。
しばらく歩くと「桃太郎さん、お腰につけたきびだんご、一つわたしにくださいな」と犬が言い寄ってきました。
「鬼の征伐についてくるならあげましょう」
犬が仲間に加わりました。
さらに歩くと、猿がいました。「桃太郎さん、お腰につけたきびだんご、一つわたしにくださいな」
「鬼の征伐についてくるならあげましょう」
猿も仲間に加わりました。
もうすぐ鬼ヶ島行の船が見えてくるかと思われた頃、一匹の雉がいました。
「ないよ」
「ひいいいいいん」
雉は号泣しながら何処かへ飛んでいきました。
あまりにも悲しくて泣きはらしたために目の周りが真っ赤になってしまい、雉は雉を雉たらしめる特徴を獲得することに成功しました。