2018-01-28

男女差別に関するさまざまな議論の整理

以下は別に男女差別に限った話ではないがわかりやすさのため男女問題に絞る。

必要ならば、各自外国人障碍者等に読み替えてもらいたい。)

機会の不均等

同じ条件であるにもかかわらず男性の方が女性より優遇される現象。(またはその逆)

早くから問題とされたため近年この傾向はほとんど残っていない。

しか女性大相撲土俵に上がれないなど一部には残存している。

区別差別

男性女子校入学できないこと、女性男子校入学できないことを差別と呼ぶ人間はいない。

これと「女性専用車両」「女性だけの街」問題との違いはどこにあるだろうか。

また、男女の身体構造の差に基づく区別鳶職の男女比など)、

女性が子を産むことに起因する区別女性の坑内労働禁止など)も

差別と言われることがあり、差別区別境界ははっきり引けるものではない。

男女は死亡率が違うため生命保険料などが異なるが、日本ではこれは合法であり、EUでは差別として違法である

意欲の不均等(造語

東大の男女比は男性が圧倒的に多い。

もちろん男女の合格判定基準に差はなく、女性男性より問題を解く力がないわけでもない。

これはそもそも女性東大を志願しないことによって起こっている結果である

これに対し、機会均等なのだからあとは志願者の自由で何も問題はないのだとする説と、

そもそも意欲不均等とは過去の機会不均等が根を引いている証拠なので是正するべきとする説がある。

統計的差別

企業採用者を決めるときなどに、より素晴らしい候補者選択しようとするのは当然である

しかし、選定の時間が有限である以上、候補者能力人格を一から百まですべて知ることはできない。

この時にどうしても利用されてしまうのが過去採用者の実績である

統計的男性の方が女性より業績を残す(またはその逆)とはっきりしていれば、

候補者本人に何の非もなかったとしても、統計的判断が加味されてしまものである

統計的差別は、往々にして、本当に期待する結果を生んでしまう。

個人個人の実力にはブレがあったとしても、何千人何万人と採用した際、

統計データを完全に信頼して選択した企業とそうでない企業にはやはり差が生まれしまう。

(これに関しては男女よりもむしろ学歴フィルター等の問題を考えればわかりやすい)

これを是正するということはすなわち、企業に「統計データによらず個々人の実力のみを見ること」

まり今まで以上の負担コスト強要することに繋がるため、非常に困難な問題になる。

女性管理職問題は、意欲の不均等と統計的差別が合わさって発生している。

逆差別

現在、機会が均等で結果が不均等であるような状況に対して

結果を均等にするために一部の対象優遇しようとすると、

それ以外の者にとっては機会の面で相対的不遇な状況に置かれることになる。

機会と結果を同時に均等にすることはできないという根本的な要因から発生する現象

女性専用車両などがこの典型例。

アファーマティブアクション積極的差別

意欲の不均等や統計的差別は、もともと過去にあった機会の不均等が原因であることから

逆差別積極的に行うことによって強引に結果均等な状況を作り出し、

意欲の不均等や統計的差別がじゅうぶん無くなってから逆差別を解消することによって

最終的には機会も結果も同時に均等にする施策

途中の段階で差別を一度受け入れてしまうため、これが許されるのかどうか議論がある。

結果の不均等

将棋プロ棋士には女性がいない。

しかし、これは上記に書いたいかなる不均等の結果でもない。

なお、この男女差を打開するために、女性のみ男性より低い基準で別枠のプロになれる「女流棋士」の制度がある

アファーマティブアクションの一例であろう)。

しかし、この制度が逆に女性プロ棋士誕生を阻害しているのだとも言われる。

囲碁では女性プロ普通に存在するため、将棋というゲームのみが男性にとって得意な構造になっているのか、

それとも裏側に何か発見できていない差別が隠れているのか、理由不明

もし仮に、「単純に男性のほうが将棋を得意とする脳構造なのである」と科学的に証言された場合

この結果不均等は差別となりうるのだろうか、それともただ合理的な結果として収まるのだろうか。

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