2018-01-14

anond:20180114184750

冬なんて早く終わればいいのに。こたつの中で私は、今シーズン最大の寒波を迎え撃っていた。

からにゃーにゃ―と声がする。地域猫のトラだ。私はときどき気まぐれのように、餌をあげている。

トラは我が家アイドルなのだが、父が猫嫌いということもあってほとんど外で過ごしている。

春が待ち遠しいのはトラも同じだろう。

「入っておいでトラ。今日はお父さんもいないから」

ガラス戸を開けると、待ってましたとばかりにトラが入ってきた。

私はトラの濡れた体をぼろになったタオルで拭いてやる。

「ん?なんだこれ」

トラの首輪に見慣れぬ紙切れが結んであるのを見つける。まるでおみくじのように首輪に結ばれたそれを、私はそっと外して広げる。

『いつもピケを可愛がってくれて、ありがとうございます。私は○○区に住む……』

そこから先は文字がかすんでいて、読み取ることが出来ない。文字は少し丸っこいものの綺麗で、これを書いた人そのものを表しているようなそんな気がする。

私は印刷用のA4用紙を引っ張りだしてくると、返事を書くことにした。

『いつもトラを可愛がってくれて、ありがとうございます。私は○○区に住む……』

一所懸命に書いた手紙だけど、きっとまた雪でにじんで読むことはできないだろう。

それでもいいのだ。私は手紙の読める春が楽しみになってきた。

(我ながら駄文だ……もっと書く練習をしたほうがよさそうですね……)

記事への反応 -
  • 小説のネタが思いつかない。 なんかいいのないかなー。

    • 寒くてかなわないから、春が早く来そうなの頼む

      • 冬なんて早く終わればいいのに。こたつの中で私は、今シーズン最大の寒波を迎え撃っていた。 外からにゃーにゃ―と声がする。地域猫のトラだ。私はときどき気まぐれのように、餌を...

        • なんとまさか増田で、しかも当日に書いてもらえるとは思わなかった! 良いね、外を歩くときに何か探してみようという気持ちになった ありがとう

        • てめーの地域は虎が歩いてんのかよ!

    • これの続きを書いてほしい anond:20171230091848

    • まず、時代設定は現代とする。 ジャンルは推理物 舞台はネコカフェ ネコが1匹殺害されていたところから始まる。 はい、ここまで考えたよ。

      • ありがとうございます! ただ、ねこ好きだから小説とはいえ死なれるの辛いな……。 なんかもっとほのぼのした感じか、純文学っぽいのが書きたい。 贅沢言ってごめんね。

    • ブコメでリクエスト(?)があったので書いてみる。 https://anond.hatelabo.jp/20180114183033 「チャロノーブル、事件だにゃ!」 そう言って黒猫のミミさんがぼくの背中に飛び乗ってきました...

    • 2020年、宇宙人が攻めてきて人類は滅亡の危機に瀕した。 救うため立ち上がったのは元ヘビー級チャンピオンの露出狂 どう?

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