2018-01-11

不思議大人

中学高校吹奏楽部にいた。6年間トロンボーンだった。高校2年で身長185センチ。なんにもやってないのに。だから手が長かった。苦もなくトロンボーンを吹き続けたのは、それだけかもしれない。

高校吹奏楽部県内では有力校だった。馬鹿みたいに厳しい顧問の下で、馬鹿みたいにトロンボーンばっかり吹いた。吹き倒した。

そして、今、自分大人になって思うのだけれど、大人あんなに部活に入れ込めるものなのだろうか。どこか、一線が、心の中に一線があるのがわかるんじゃないだろうか。あらゆる部活での有名校の顧問をみると、いつも疑問が募る。どうして大人なのに、仕事があるのに、それも教師だというのに、その優先順位を下げて、そこまでして部活にどうして力を注ぐのだろうか。

いや、高校生ときにもう、それを疑問に思っていた。どうして、こんなに、顧問活動に夢中になれるのだろうか、と。怒ってばかりの人だったけれど、たぶん、今の自分のこのつまらない毎日と比べると、あの先生毎日が楽しくて仕方がなかったのだろうと思う。

とてもうらやましい。

その楽しさを邪魔するから、ヘタな部員を殴ったのだろうと思う。子供っぽい。今はそう思う。そして、そんなに毎日楽しい大人をうらやましく思う。毎日毎日。たのしいことばかり。たぶん、あの人は毎日遊んでいたんだろう。ずっとずっとずっとずっと。いつから遊び続けていたんだろう。

とてもうらやましい。

だってずっとずっと遊び続けていたかった。子供のままでいたかった。地元暮らしていたかった。定期的に自己紹介なんてしなくていい世間暮らしていたかった。トロンボーンパートのみんなとずっとずっとあわせていたかった。

うらやましい。今はそう思う。

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