2018-01-03

親しさについて

世の中は「友達を作ろう」「恋人を作ろう」「家族を作ろう」と言い、はじめから誰かと親しくなることはよいことだ、という前提で話を始める。だが長く社会人をやってきて思うのは、生存にとってもっと重要なのは、とりあえず表面上はそつなく交際することと、カネを稼ぐことだ。職場や近所における、必要最小限の付き合い以上の人間関係は、社会で生き残る上では特に必要ではない。

親しい人間関係は、つかの間の喜びに後に、どっさり面倒事を持ち込んでくる。親しい間柄では、付き合い方に明示的なルールがないから、いろんな不条理が起きやすい。恋人家族での関係性の病理はその一例だ。

そう考えると親しさとは何なのか。カネだけでは生きていけなかった過去遺物にすぎないのか。ただ、生存にはもはや必要ないものの、やはり多くの人たちが親しさを求めているのも確かだ。たぶん、それは本能なのだろう。ただ、食欲や睡眠欲が生存に直接役に立つのに比べて、親しさへの欲求というのは、かつては必要だったのかもしれないが、社会構造の変化によって不要になってしまっているということなのだろう。

ますます多くの人たちが恋愛結婚もせず、家族を作らず、子供を持たなくなりつつある。その一方で、より簡易・安価安全な形で、ある種の「親しさ」を供給するビジネス興隆してきている。たとえば、アイドルグループに対する熱心なファン活動流行中のユーチューバーファンコミュニティインターネット上に提供して、それをマネタイズしている。これらの新しい形の「親しさ」は従来のドロドロした恋人家族間の親しさに比べるとずっと手に入れやす制御やすいのだ。

それでも一部の人達は、伝統的な「親しさ」を求め続けていくのかもしれない。たとえその過程でどれほど傷ついたとしても…。

  • 表面上そつなく交際することを忌避するはてなーは多いが、これはやっといて損はないものと思っている それなりのつきあいを気づいていれば、ちょっとしたことで助けてもらえること...

    • 雑魚っぽいもやしだから面倒事をおしつけられる側になることが多いのだろうなはてな民は

  • 傷ついてよかったと思える年の取り方をしたい。 あんまり一気にいろいろあると疲れるけどね。

  • 生存確率をあげるために親しい人間を手に入れるのは何時の世も重要

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