2017-12-02

エスカレーター片側空ける問題ハード解決

エスカレーター、歩く人がいるのは自然なことかと思われる。歩く人がいる(≒片側を歩く人用に空ける)のが日本だけではなく海外でもみられることからも、あれは自然と歩くものだ。アフォーダンスから考えても、①階段と同様の形状をしていて自然と歩ける段差であり、②進行方向に歩くことで乗り降り操作を行うことから、歩いて通り抜ける人が出るのは当然だろう。

現在、「歩く人のために片側空ける」から「両側てすりを掴んで止まる」の過渡期あるいは過渡期を目指しているところであるが、この際、従来派先進派の間で文化的な衝突が起こり、それは具体的に言えば「空いている側に立ち止まっている人、のすぐ後ろで、いかにも急いでいそうな様子でエスカレーターを歩く人、が、あぁとうせんぼされてしまった! という形で立ち止まる」ということが起こる。これは容易に想像されることであり、今自分の後ろに立っている人の邪魔を今自分がしているという状況は抵抗があるだろう。両側に立つ理由も決定的なものはないというのに、今すぐ後ろには自分が原因で困っている人がいるのだ。

さらに言えば、思い違いかもしれないが、両側立ちという新しいルールを率先して守ろうというタイプの人は、性質として、自分迷惑をかける側になるのを殊更に気にするのではないだろうか。

こういうわけで、「呼びかけによって両側立ちルールを定着させる」ということは難しいと思われ、本気で根本的に解決するにはエスカレーター構造ハード的に変えることが不可欠だ。

いくつか「新しいエスカレーター」の具体例を挙げてみたい。

ひとつは、「両側に立つ二人組のサクラ人員」を用意することだ。駅なら駅員、店なら店員などユニフォームビブスでも着用してもらった方が、トラブルへの対処スムーズになると思われる。 ハード解決といいながらハードはいじっていないし、だいぶ力技感がある。が、後述するが、コスト安全考慮すると結局こうするしかないのではというのがわたし結論だ。「とおせんぼをして恨まれる人」が客ではなく、両側立ちをさせたがっているハード管理者であるのは重要だ。

ふたつめは、エスカレーターの段差を大きくして、歩いて登り降りしづらくすることだ。歩けないものは歩けまい。この案の欠点として、コケる人や手荷物を落とす人がでたときに非常に危険ということがある。

最後にみっつめは、幅を今の1.5倍、3人分にすることだ。エスカレーターの両サイドに手すりを掴んで立ち止まる人がいても、ど真ん中をすり抜けて歩ける隙間が残るようにする。本当に急いでいる人はカバンを左右にぶつけながら駆け抜けることができるので、とおせんぼにならず、心置きなく左右に立ち止まれる。また、この真ん中をすり抜ける操作は手すりがなく、危険であり、マナー違反だという印象を強く与えるものだろう。

欠点は、ひとつには、トートロジー的だが、「真ん中に人が通れるほどの隙間があったら、歩く人がでてきてしまう。しかも、歩く人にとっては手すりがないので、フェイルセーフとしてよろしくない」ことそのものだ。これはまあ物は言いようということで、幅を広くしたのはゆったり心地よく利用してもらうためで真ん中を歩く人なんているわけないじゃないですか、とでも言い張ってもらいたいところだ。第二の欠点として、エスカレーターの占用する体積が150%増加するということで、新設設計時においてすら前提の変化として大きいポイントだろうし、既設のエスカレーターの改修はまず望めないだろう。

はたしてそもそもそこまでして両側に立つべきなのか、駅は諦めてデパートなどの急ぐ人が少なくて呼びかけで解決するようなところのみで目指すべき新ルールなのではないか、と思ったところで筆を置く。

  • 田舎のジャスコとか行くと分かるけど、別に横あけて歩くのは自然でもなんでもないよ。 歩く人なんかいないから、そもそも横に詰めるという感覚すらなくて真ん中に立つのが普通。 横...

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