2017-11-24

売れてくれ

好きな作家がいる。

どのぐらい好きかといえば、存命の作家の中では一二を争うぐらいには好きだ。とりあえず、商業出版された単著は全て所持している。

単に好みに合っているというだけではなく、少なく見積もっても二十年に一人の才能であろう、と自分は固く信じている。

以前はこの作家について、新刊が出るたびごとにブログツイッターなどで感想を書いていたし、布教いたことも少なからず行ってきた。

が、この頃では、その名前を挙げて言及することはほとんどなくなってきている。

なぜかというと、その作家があまりに“売れない”からだ。

売れない、と言っても、実際はそこそこ売れている作家謙遜で言う「いや〜僕ホント売れてないんですよ〜(笑)」のような、なんちゃってではない。作家本人の言葉を信じるなら、いや、外側から確認できる情報だけを見ても、デビューから一貫して、なぜ作家を続けていられるのか不思議になるぐらいの超低空飛行だ。

そういう「負け組」と一緒に帰って友達に噂とかされると恥ずかしいし……ということではない。

自分は、怖い。自分発言が、その作家作品の売り上げに影響を与えるのが、恐ろしくてたまらない。

いくら好きな作家といっても、常に自分にとって百二十点満点の作品を出してくれるわけではない。たとえ最高傑作(と自分が思っている作品)でも、細かい不満は当然存在する。そういった点についても、感想ではなるべく書いていきたい。というか不満の方が書きやすい。

が、今となってはそんな言葉を発することはできない。自分の小さな不満によって、ただでさえ売れていない作家潜在的な読者を一人でも減らすことになったら、と考えてしまうと、とてもではないが感想など書く気になれない。また、もしも作者の目に留まれば、その折れかけている精神想像)に最後の一撃を食らわせることになる可能だってなくはないのだ。

これが仮に絶賛のみを書き連ねるとしても、問題はさほど変わらない。そういう感想がかえって未読者の反感を呼ぶこともあるのは、自分自身経験からも知っている。

そんなわけで、自分感想を書けなくなった。

これは、単に自意識過剰なだけなのだとは理解している。無名の一読者の言葉が、本の売り上げに与える影響など良くも悪くも誤差みたいなものだろうし、悪名もまた名なりと言うように、どちらかといえばどんな内容であれとにかく言及数を増やした方がマーケティングとしては効果的なのかもしれない。いっそ5ちゃんねるで自演炎上工作でもするのがファンの正しい道なのだろうか(正しさとは)

それでも、怖いものは怖いし書けないものは書けない。

ブログツイッターAmazonレビュー読書メーターなどで、当該作家の状況を知りながら今も感想を書き続けている人たちに対しては、皮肉ではなく心から尊敬する。これからも頑張ってもらいたい。

ということで、作家本人には及ばないまでも、自分もそれなりに強く願っている。

売れてくれ。

自分が気軽に無責任に「あ〜やっぱり売れてなくても初期の方がDANZEN!良かったわ〜、ぶっちゃけありえな〜い」としょうもない文句を垂れ流せるようになるぐらいに、ドカンと一発お当てになってくれ。

頼む。

  • 二次創作は原作者へのリスペクト?

    Youも書いちゃいなYO★ …で売れたら尊敬していた作家の影響で書き始めましたって言えばOK?

  • anond:20171124212737

    ステマ扱いされてもいいからオススメしていったほうがいいよ 見られず埋もれるよりは露出してもダメだったほうが諦めもつく

記事への反応(ブックマークコメント)

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