夕飯を食べ終わって暇だけど観たいテレビもないな〜とか、次の電車が来るまでけっこう間があくな〜とか、そういうときに自分の書いた文章を読み返してちょっとにやけたりしてしまうのって絶対私だけじゃないと思う。
周りに人がいないときだったら、何なら音読とかしちゃって、ここのリズムがいいなとか、この言葉選びはオツだなとか、どっぷり悦に浸っちゃうのも絶対私だけじゃないと思う。
うまいとか下手とか関係なくて、私が、私の気に入るように書いた文章なんだから、誰より私のツボにハマるし、誰より私が読みやすく、私の気持ちを言い当ててくれて当然なのだ。
あの日の私が何を感じ、考えて、どう飲み干したか思い出す。上書きしないで置いといた古いセーブデータで遊ぶ感じ。とっくの昔に通り過ぎた景色が矢継ぎ早に蘇って、懐かしく、うれしい。落ち着く。
私が自分の文章を読んで味わう、このなんとも表しがたい充足を、絵を描く人はかつての自分の筆遣いに、音楽をやる人は掠れた譜面の書き込みに見出すんだろうか。自分の書くものが好きすぎて、何度も何度も擦り切れるくらい読み返してるなんて話、ふつうに考えたら気味が悪くて、軽々しく口にできないから分からないけど。
今日も仕事で疲れたから、先日増田でめちゃめちゃバズった自分の文章を読んでいた。これを書いたのが私なんて誰も知らない。私しか知らない。思わず笑い出しちゃいそうな、こんな喜び、この先の人生で二度と見つけられそうにない。