2017-10-12

アジカン世代が聴いてきたナンバーガール。雑感。

小学生から中学生時代ナルトハガレン放送され、

カラオケリライトしまくった世代にとってナンバーガール名前は「あの伝説のバンドね」という印象だろう。

この世代楽器を持ったことがある奴なら、聴いたことはなくても名前は知っているはずという存在だ。

当時は飾り気のない、そこらへんのお兄さんが楽器を構えているようなバンドが人気を集めていた。

今考えるとそれはAIR JAM世代モンパチHYといった沖縄出身バンドの躍進でインディーズレーベル存在感が増したことや、

ヴィジュアル系ブーム代表されるオーバープロデュース気味だった90年代から反動があったんだろうと思う。

ELLEGARDENバンプベボベはまだしも、アジカンフジファブリック志村は飾り気のないというラインを超えて、モッサい予備校生しか見えない出で立ちだった。

思えば一世を風靡したオレンジレンジも全身スウェットMステに出たりしていたな。

とにかく普段着ステージインタビューの場に出て、

そのくせCDジャケットMVはお洒落で、

そして地上波にやってるテレビ番組にはあまり出演しない、

というのが中高生にとってのカウンターカルチャーになっていた。

アジカンくるりメガネロックという雑な括りでメディアに取り上げられることもあった。

当時はバンドフロントマン公務員のような銀縁眼鏡をかけているというだけでも斬新に映ったのだ。

そのメガネロックのはしりとして紹介されていたのが、僕がナンバーガール通称ナンバガを知るきっかけなのである

当時既にYouTubeWikiが浸透していたので、聞きなれないバンド名を見聞きしたら僕はすぐにググっていた。

ヒットしたサイトからアーティスト写真簡単プロフィールを見るところでは、

マスオさん風の堅そうな男がボーカルで、

華奢な女性ギターアンガールズ風のきのこ頭がドラムらしい。かっこいいと思った。

僕が思い出す限りではWikiを見ると

eastern youthやbloodthirsty buchersらと並び、ピクシーズなどに代表されるオルタナティブロック日本でいち早く取り入れた」とか

向井のシャウトは『喉を切り裂いたようだ』と評された」とか、

くるりスーパーカー中村一義と共に97年世代と呼ばれた」など、

よく知らないアーティスト名ばかりでいまいちピンとこなかったが伝説ぽいフレーズオンパレードで胸が高まった。

そしてつべで「透明少女」「Omoide in my head」の動画を見てみたのだがその時はあまり良いと思えなかった。

理由は単純で「School Girl Bye Bye」「School Girl Distotional addict」収録の曲はどれも構造が複雑なのである

AメロBメロサビというポップスに慣れきった中学生にとって「透明少女」はアブノーマル過ぎた。

ボーカルにまで楽器マイクを使い、福岡にある馴染みの貸しスタジオで録ったローファイな音もとっつきづらかったのかもしれない。

はいナンバガにはすぐにハマった。

終始キメキメな「U-REI

無闇矢鱈にソリッドな「鉄風、鋭くなって」

ひさ子のソロバリかっこいい「TATTOあり」

アルバム「SAPPUKEI」は特に何回も何回も聴いたお気に入りである

無論他のアルバムZAZENToddleVolaもよく聴いたが。

イントロがいい。

すごくいい。ギターの響き?専門的なことはわからないけど、そこはかとないエモを感じる。演奏から滲み出る哀愁というか、明るさというよりはがむしゃらさ。

それは向井の「俺押さえ」と、ジャムセッションをする上での向井ギターのひさ子のコンビネーションによるところだ。

ナンバガにおいて向井はローポジコードをカッティングしていることが多いが、

左手人差し指を欠損しているためか、

開放弦を織り交ぜた我流フォームで弾いている。

理論上ではジャズで用いられるセブンスコードと似た響きを持つこれらのフォームは「俺押さえ」と呼ばれている。

その「俺押さえ」にジャムセッションを重ねていく過程で、ひさ子がギターの音を補完すべくハイポジで弾きまくるわけだが、

何せ向井オリジナルコード絶対音感があるわけでもないひさ子が勘で合わせていくので結果的分数コードになっているときもある。

分数コードジャズで多用される手法で、

複雑でごちゃつきながらも何故かスムーズに聞こえる、そんな奥行きのある響きを作り出せる。

まりナンバガはバッキング主体で深いディストーショントーンという疾走感あるオルタナスタイルにのっとりながら、

実はコードトーンでジャズっぽい哀愁を醸し出している。

最近流行りのバンドは、何となくやっぱりルックスで売る傾向が強くて、

なんとなくわかる。

BLUE ENCOUNT04 Limited Sazabysとか

Mrs. Green Appleとか何かみてくれいいもんな。

かにかっこいいんだけど。

すごい。すごいぞナンバーガール

くるりの「図鑑キャッチコピー元ネタか。

高校生感があんまりない増田だけど

この時代に改めてナンバガを褒めちぎられているの、すごくテンション上がった。

現役高校生だとするならば、一昔前の、

僕ら20代学生時代流行った様な音楽が好きな子なんだろう。ラッド、テナーももろそうだし。

https://anond.hatelabo.jp/20171010224023

記事への反応 -
  • ボーカル遠っ! 第一印象はそんな感じだった。バンド名は有名だからかなり前から知っていたけど、ついこの間名前を目にする機会があって、それで聴いてみようという気になった。 ...

    • 小学生から中学生時代にナルト、ハガレンが放送され、 カラオケではリライトしまくった世代にとってナンバーガールの名前は「あの伝説のバンドね」という印象だろう。 この世代で楽...

      • 俺もアジカンもナンバガもバンプも好きだけどさあ 好きだからあえて言わせてもらうけどJ-POPの弱点ってどこまでいっても日本語なとこだよね 正直メロディだけだと太刀打ちできんと思...

        • 好きだからあえて言わせてもらうけどJ-POPの弱点ってどこまでいっても日本語なとこだよね この文章がわかりづらいんだ お前が言いたいのは「日本語なとこが弱点」、じゃなくて「日...

        • 歌詞というよりコードの付け方とかアレンジの方法だろうね ヒャダインが「MISIAのEverythingはコードで保ってる」ってテレビで実演して見せて 「メロディだけだと歯医者のBGMみたい」と言...

          • それが王道進行とか同じコードの量産化ね 同じメロディで作る以上、あとは差を出すとしたら歌詞しかなくなる だからファンたちはメロディの話をすると本質が同じなので多く語れなく...

            • MISIAの話は、本家の複雑なコードワークと順当にベタなコード付けたバージョンの比較だったんだけどね。 冨田ラボのコードに対するセンスがいかに凄いかっていう話の流れでやってた...

              • 本家のコード複雑っていうほど複雑ではないけどな王道進行の1つにすぎないし 今のルーツになる要素はあると思うが その検証はどちらかというとMISIAの歌を抜いた影響の方がデカいん...

                • 王道進行って普通はIV△7→V7→IIIm7→VImのことを指すからそう何個もないよ 増田は多分他の曲でも使われてるコード進行って意味で使ってるんだろうけど ポップスで全く他と類似しない...

        • ところがマーティ・フリードマンみたいな純外人が聴いても、J-POPは歌詞抜きで独自の奇妙な音楽に聞こえるらしいんだよな 外人にJ-POP聴かせてみると、歌詞がわかる / わからない以前...

        • 日本ほどメロディ重視してる国ないじゃん、J-POPしかり演歌しかり。失礼ながら洋楽あんまり聴いたことないのでは?

      • 元増田にゴイステとバインの名前が出ててジェネレーションギャップを感じた。 確かに名前は知っているけどナンバガほど熱心に聴いてはこなかったから。 青春パンク全盛期時はポケモ...

      • AIR JAM世代はまあ総合パワーで譲るとして、アジカン世代ってなんだよ。世代っていえるほど売れてねえだろ。

      • https://anond.hatelabo.jp/20150718011223 https://anond.hatelabo.jp/20171010224023 https://anond.hatelabo.jp/20171012104425

    • 最高すぎるな、お前。 この調子でかましていけよ。 っていうかストレイテナーっていまでも流行ってるの?

    • そのままZAZEN BOYSに入っていって、どんどん見識を広げていくときっと楽しいよ。 ていうか現役高校生でもRAD、テナー、アジカン聴くんだね。意外。 この辺が流行ってた時期って、それ...

    • 兎にも角にも私は透明少女のイントロが大好き。 4弦9フレット 3弦11フレット 2弦12フレット で弾かれる(恐らくね)ひさ子嬢のギター カポ2?で 6弦7フレット 4弦8フレ...

    • ゴミを薦めるな

    • 最近のゴチャゴチャし出した情勢を乗り切るにはナンバーガールみたいなバンドを聞いてるのが楽しいのかも知れない。 朝帰りにomoide in my headを聞くのも楽しい。 おじさんになってしま...

    • white ashはナンバガの再来みたいな存在になれたとおもう。 惜しい、小洒落感が強過ぎた。

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