妹の体育祭におばあちゃんと行くけど一緒に行かない?
面倒だから断った
母が言った言葉が今も忘れられない。
あの日体調が悪そうだったんだよね。気づいてあげられたら
母が後悔してるように私も後悔した。元気な祖母と出かける最後の機会だったのに。もしかすると私が気付けてあげられたかもしれないのに。
会いに行くといつも泣いてた祖母。帰るときには麻痺が残って上手く動かない口で寂しい、寂しいと言っていた。元気なときには祖母のそんな姿みたことが無かった。
祖母の前ではできるだけ笑顔でいようとしたけど涙が止まらなかった。
祖父だけでは祖母の介護は難しいから私が祖父と一緒に住んで一緒に介護することも考えたが両親に反対された。
何もしてあげられないまま祖母がいなくなった
私は出張中で死に目にも会えなかった
フィクションの中では寝てるみたいだろ?なんて台詞があるけど、そこにいた祖母が亡くなっていることは一目瞭然だった
祖母の手を握りながらひとしきり泣いた後は変に冷静になってこれが死臭なのかな、なんて考えてた。
火葬した時は大人のくせに小さい従兄弟たちと床に突っ伏して一緒にわんわん泣いた。
祖母が亡くなったから祖父も急に弱り始め、また家庭の事情から祖父も施設に入れられた。一緒に住みたいという私の希望は叶わなかった。
祖母の四十九日が終わったあと、祖父を施設に送る時、施設に戻ることを嫌がり、怒鳴り、泣き、宥めようとした私を叩いた。
両親が反対する中一緒に施設に行って泊まろうとしたのに祖父が必要としていたのは祖父の家と祖母だった。
ただただ悲しかった。
どんなに願っても祖母は夢の中にすら出てきてくれない。