数年前に地方の帝大を出て、今の会社に文系職で入った。学部と大学院の6年間は工学を学び、それなりに理系の勉強と研究に楽しさを見出していた。
といった情報が耳に入るようになり、自然と世の中はそういうものだと認識するようになった。
それもあって就職活動の際には理系職にこだわらず、ただただ条件のいい会社ばかりを受けた。理系院生かつ所謂就活トークっぽいことを難なく話せたこともあり、希望する企業から一通り内定はもらえた。そのときは、どんな仕事でも目標を持って取り組めばやりがいを感じられると思っていた。
しかし、実際に就職し働き始めてから徐々に違和感を覚えるようになった。何より気になったのは、仕事を楽しんでる人が極端に少ないこと。職場の人たちは予算管理表や見積り書などを一日中淡々と作成・回議している。誰に聞いても特にやりがいを持ってないし、そもそもあまり仕事に興味がないらしい。
理系学生のとき、周囲には自分の分野に対してある程度興味や熱意がある人が多く、お酒の席で思わず熱を込めて語ってしまう人も少なからずいた。あの理論のここが面白い、こういう成果をあげたい、というのは自分にもあった。
しかし、今の会社では、自分達がやっていることははあくまでも生きるための手段で、お酒で気が大きくなっても話に挙がるのは愚痴ばかり。特に興味もなければ、上の役職以外のなりたい何かなど存在しない。
それに気づいてから非常に悲しくなった。なんとなく人生が止まってしまったような気がした。
高給で潰れる心配もない、家族を持って養うことも十分にできる。ただ自分の人生はここまでなのか、書類を作るだけの仕事で残りの30数年を過ごすのか、色々考えてたらわからなくなってきた。
文系職と括ってしまったが、事務職と言った方が適切だったかもしれない。では事務職の人たちは何をモチベーションに仕事に取り組んでいるのだろう。
同感 文系は人間関係に執着してストレスや威圧、感情労働など脳が動物のような神経構造に変化していくことが明らかとなっている。実際にも理系は理性的で仕事を楽しんでいる人が多...
滑車ねずみの愚痴