頼れる父と専業主婦の優しい母の元で、何不自由なく育った姉妹。私は妹の方。
私は自分で言うのもなんだが出来が良く、姉は出来が悪かった。
具体的に言えば、学年トップクラスと平均やや下くらい。
加え私は主要五科目以外も得意で、絵で賞を取ったり、やっていたスポーツで入賞したりと文武両道、何かと目立つ子供だった。
姉を甘やかし常にサポート。金に糸目をつけず高度教育を与えた。
一方私は「あなたは出来るんだから大丈夫よね」と割と放置され、やりたい習い事など我慢させられた。
お姉ちゃんがうらやましいなって思ったことは何度もある。
過敏な思春期の頃は、親は私を愛していないんだ、姉ばかり可愛いんだって毎日一人で泣いていたくらい。
でも、私は一人でもできるということをプライドに、努力して努力して常にそれなりの結果を残しつつ大人になった。
良い子でいたら親がこっちを見てくれるとも勘違いしてたし。
結果、女ながら企業家になった。
一方、常に甘やかされた姉。
それでも親がサポートしてくれるから全く困ってないみたいだけど。
姉のことは身内だから仲良くしようと思うけど、
同じ血を引きながらなんて愚図で駄目な女に成長したんだろうと思う。
親に惜しみなく愛情を注がれた彼女は、与えられて当たり前だと思っており、
何も考えない。
「なんで妹ちゃんがそんなに頑張るのかわからない。うちは裕福なんだから頼ればいいのに」と笑う。
そんな人生を、今では全く羨ましいと思わなくなった。
私に子供はまだいないけど、どんなに愛していても無条件に与えることだけはしないと固く誓う。