東京は秋葉原に住んでいるが、わざわざ名古屋まで行って某アイドルアニメのライブに参加してきた。
ちょっと長くなるけど、この気持ちをどこかに書き留めておきたくて、帰りの東海道線の中でちまちま打っていこうと思う。
今回行ってきたライブの作品は、いわば「続編」で、“伝説”になった初代グループに憧れ、そんな風に輝きたいとステージに上がる女の子達を描いた作品である。
当時大学生だった自分はモロに影響され、アニメを何回も観ては泣き、ライブにはほぼ全て全日参加し、彼女達の生き方に憧れ、その作品を作った人達全員を心の底から尊敬し、がむしゃらに今を輝かせようと大学生活を走り抜けた。
完結編にあたる映画版を観た少し後、まだハイになった頭のまま就活の面接を受けた。
作品に出てくるセリフをほぼそのまま取締役に恥ずかしげもなく言って、落ちこぼれには分不相応な一部上場企業へのチケットを受け取った。
その作品がきっかけで、アニメや漫画の同好の志が集まる場に参加するようになった。
そこで気の合う女の子と知り合って付き合い始め、卒業直前にはその作品で重要な場所となっていた神社で結婚式まで挙げた。そして舞台である秋葉原に新居を構えるまでに至った。
まさにその作品は自分の大学生活にとんでもない影響を与える“青春”だったな、と今でも思う。
そんな大学生活の最終日となる2016年3月31日、彼女達最後のライブとなる東京ドーム公演の初日に参加し、彼女達のストーリーがピリオドを迎え“青春”が終わったのひしひしを感じた。
僕の影響でどっぷりハマった嫁に連れられて、彼女達の“伝説”を受け継いだグループのライブに参加してきた訳である。
歌、ダンス、マイクパフォーマンス、ストーリー、オーラ。そのどれを取っても初代に引けを取らない、すごいライブだった。
参加者は熱狂し、終了後のTwitterも絶賛される声が溢れていた。
本当にすごかった。
楽しかった。
自分もそう思う。
でも心の中のどこかに、初代のライブに参加していた時には感じる事の無かった淀みのようなものをライブ中からハッキリと感じた。
その正体が気になってしまい、演者に向かってペンライトを振りながら自分自身を見つめる時間になっていた。
会場のボルテージが上がり一体化する日本ガイシホールの中で、疎外感と孤独を感じてしまった。
劣等感、なんだと思う。
初代の声優達の中での最年少と同い歳の自分は、二代目の声優の誰よりも年上である。
追いつけ追い越せと努力してきた年下の女の子達に、あんな凄いものをまじまじと見せつけられた。
初代の最後のライブから一年半の間「君の心は輝いていたかい?」と強く問いかけられた気がした。
この一年半、一体何をやってきたのだろう?
そう感じた。
帰りの電車でそれに気づいて、吐き気が止まらなくなった。正直どうしたらいいのかわからなくなった。
彼女たちは他のアイドル達に完膚なきまでに負けて一度は挫折しかけるが、その経験を“ゼロ”として、新たな一歩目を踏み出していく。
初代への憧れだけじゃなく、自分達らしさを求めて。
まさかそれを自分自身に体験させてくれるとは全く予想だにしていなかったわけで。
なーんだ、そういうことだったのか、と素直に納得した。
東京に戻ったら、僕もがむしゃらに新たな一歩を踏みだそうと思う。
舞台も人も変わっても、ラブライブ!という作品は青春と言う名の暴力で僕をボコボコにしながら、いつだって大切なものに気付かせてくれる。