今回はふんわりジャンプ
だいぶ前に一度だけ感想書いて以来。
色々と新連載も出てきたし、改めて現時点での総括みたいなものを書こうかな。
本筋の100均商品の使い方とか情報を(あくまで漫画という枠組みの範疇ではあるが)過不足なく説明しつつ、毎度挟まれる緩いオチ。
逆にふんわりジャンプのコンセプトに忠実すぎて浮いている節すらある。
テーマ自体は言うことがないというか、こういうの生活にちょっとした彩り加える系の話の“とっかかり”としては十分な内容だと思う。
『太臓もて王サーガ』描いてた作者が、近年ではこういった作品に関わっていると思うと妙な気分だ。
基本強くツッコまないノリなのがモヤモヤする。
そりゃあフラットに評価するならば善悪で語れないことではあるんだけれども、批判も賞賛もしにくいものをただ受け入れるスタンスって個人的にストレスを感じる。
ましてや大亜門先生の作品知っている身としては、毒にも薬にもなりうるテーマなのに、それに振り回されている印象がある。
語り手が実在する中国人の声優なんだけれども、選出ネタとしてはどちらかというと声優としての話ではなくて、中国と日本の文化のギャップとかが描かれている傾向。
あくまで一人の中国人オタクが日本に留学してきたエッセイ漫画くらいのノリで読んだほうが、不必要な期待を持たずストレスフリーで読めるかも。
LGBTが題材だから重苦しい話かなあと思って読んでみたら意外とカジュアルな作風で、あまり気を張らず楽しく読めるノリのものが多くてよかった。
話自体は作者やその知り合いの実体験に基づいてはいるものの、読者の精神に負担を与えるような卑屈感は少なくて、複雑な感情だとか難解な問題だとか、そういったものを一方的に突きつけてきたりはしない。
個人的にはLGBTだとかに限らず、マイノリティな存在を何か腫れ物に触るような、傍から見れば面倒くさいと思われるようにするよりも、不当な扱いでもしない限りはこういう風にポップに描いたほうがむしろ変な軋轢を生まなくて良いと思う。
現代における恋愛の難しさを、恋愛下手な作者が四苦八苦しているところを俯瞰して見つつ楽しむ感じかな。
いかんせん作者の実体験に基づいた話なのもあって、未消化気味な結果になりがちなのが難点。
なんで難点かっていうと、作中で大小さまざまな失敗(と作者が思っているもの)が描写されるんだけれども、これはあくまで作者目線での独白で語られる結論が主なんだよね。
客観的にみて明確な是非を判断できるか難しいものなのに、何らかの解答があること前提で話が進むのがモヤモヤすることはありそう。
ここ増田でも、たまに自分の人生観についてエピソードなり絡めて語る人いるけれども、あれを絵つきで読んでいる感覚に近い。