2017-07-17

会社を辞めた

ちゃんと仕事をしている人は本当に偉いと思う。

   

会社を辞めた。

会社には面目上は取り繕った理由を伝えたが、本音は本気で疲れたことが理由だった。

ある日突然全てが馬鹿らしくなった。私は一体なんなんだろうか。

30代、こんなバカらしいことを考えて会社を辞めてしまった。

  

好きで始めた仕事だった。中学上がるくらいにはこの業界仕事をしようと決めて大学にも行き、念願叶って始めた仕事だった。

入った会社長時間労働薄給スパルタ上司だった。

私はあらゆる業務が人より劣っているため、他の人の3倍4倍も努力しなければ仕事にならず、体力的にも精神的にもハードな日々だった。

それでも好きだから技術を身に付けたいからと我ながら頑張った。いいデザインができるようになりたい。限界までやる。自信をつけたい一心だった。

自分無能さに押しつぶされる毎日だった。

悔しさと情けなさで泣きながら終電の駅から足を引きづるように帰った日は数え切れない。

生理も何度も止まった、変な蕁麻疹が出た、救急車で運ばれたこともあった。

残業続きで仕事に没頭していて恋人ともうまくいかなかった。(これは仕事が原因だけではない)

「好きじゃないとできないけど、好きだけじゃできない」という言葉がこんなにもしっくりくるのかと自分でも笑けた。

  

気づけば10年近く経って、そんな中で何度か報われることもあった。

担当者に気に入れられ指名をもらうと、寝不足の辛さなんて吹っ飛んだ、

運良く素晴らしいチームで仕事ができ大きな結果を得た時は素直に嬉しかった、

納期に間に合った、いいねと励まし合えた、小さなことから大きなことまで。

  

ただ、今まで「好き」でやっていて気力と体力で粘ってきたが、圧倒的にわかったことがあった。

できない奴はできない。それが私だった。

  

ある時突然全てがバカらしくなった。自分能力の無さに、これ以上会社員でいても給料が上がりそうもないことに。そんな仕事必死になっていた自分とその膨大な時間に。

会社に勤める必要はあるのだろうか。疲れた。もう嫌だ、仕事なんてしたくない。上司も嫌いだ。何もかもつまらない。

そんなことばかり考えていると朝起きれなくなった。体調が悪くなり、出勤途中の快速電車を降りることが増えた。

電車の中で無意識に「もう無理」と呟いていた。これは寝言なんだろうか。

  

周りには素晴らしい仕事をする人がたくさんいる。

こんな人間に誰が仕事を頼むというのか。

引き継ぎのタイミングを見計らい会社を辞めて独立した。

  

どうにかやっていけている。

努力の仕方が間違っていたのかもしれない。勉強方法ももっと別のやり方があったかもしれない。

後悔しても、今目の前にいるのは疲れ果てた自分

どうにか頑張れと思う。(家賃を払わなければいけないのだ)

世の中甘くないというのは聞き飽きた。

働かないと生きていけないのも大変だなと思うようになってしまった。

  

夕飯を出汁からとって準備するような暮らしをしたい。

できれば笑って過ごしたい。

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