逃げるかのように学校の階段を勢いよく駆け下りて、自分の席に座ったところで目が覚めた
いい思い出だったかと聞かれたら、首を横に振る答えしか私にはないのだけど
プールの後に国語の授業で塩素の香りを感じながら居眠りをすることも シーブリーズの貸し借りをする男女も
生温い風を感じることも 嫌いな薬品の匂いがする生物室で昨日見たドラマの話をすることも 音楽室でいろんな楽器を勝手に見よう見まねで奏でることも 屋上で愚痴をこぼすことも 購買で苺のサンドイッチを買うために走ることも
全校集会、文化祭、修学旅行、遠足、新入生歓迎会、卒業式 よくある行事だけど 学生の時にしかない特別なイベントも
もう ない のか
無い
あ
嫌な思い出では ないのかもしれない
ただ、良くはない
だけど
しっかり覚えていることはあった
それでも良いのかもしれない
たぶ ん
暴力を受け隠しようがない痣と傷だらけで登校した日、気付いた教師は気付かないフリをしてくれた 人間なんだなと思った
別に助けてほしいと思っていなかったし期待もしていなかったから
後日その教師は私に好きなアイスを買ってこいと、200円を渡した
夏休みの間、アルバイトをしながら様々な努力をした 自分を変えたい一心で
気持ち悪いほど周りの私への対応が変わったくらいには変化がでた
見た目が変わって良かったとは思っているが、精神的な面は何も変わらないどころか精神病棟に隔離されるほど酷くなってしまった わけがわからない
外見への執着は増す一方で、内面の汚れは落としても落としきれない
見つめ直そうと思う
大きな課題
アイスでも食べながらなんでも受け止めることができる っていうくらいの気持ちで自分の悩みと向き合う時間も必要だ
もう寝よう