いつも利用するクリーニング屋がある。
いつもいる店員はババア二人だ。おかっぱのババアと、パーマのババア。
店員に認識されると行く気をなくしてしまう人間というのは一定いる。
コミュニケーションが煩わしいと思ってしまうような人間。おれもその一人だ。
定休日があるとはいえ、どういうシフトで回しているのか知らないが
行くと少なくともどちらかのババアはいる。たいていコンビでいる。
そんな完全に覚えられた客となっても利用を止めなかったのは、単純にその店が家から近いからだ。
あと結構安いから。新しいところに行くのも、会員登録やらなんかが煩わしい。
今日もババアのことを思い出して面倒だと思いながらクリーニングを出しに行った。
どうしたんだ。
代わりに違うババアが二人いる。初めて見る顔だ。
安堵のような、拍子抜けのような気持ちになりながら、スーツを出し、会員カードを渡そうとする。
出しているのになかなか受け取ってくれない。置くトレイもない。
どうやらババアの一人は新人のようで、もう一人のババアから教えを受けている。
ようやくカードを受け取って貰えた。
ん?ここは「いつもありがとうございます、○○さん」じゃねーのかよ。
レシートともに受け取り票が出てきて、指導役のババアが渡してくる。
おう。
あれ、終わり?
いつもみたいに「受け取りはァ、○日になるんですけど、よろしいですかー?」って確認ないのかよ。
「○日できあがりです」だけでいいよ。
あのババアみたいにねちっこく「次いつこれます?もうちょっと遅い方が良いですか?×日はどうですか?」
とかしなくていいからさ。
おい、なあおい。