2017-06-30

お葬式という文化

お葬式

死んでから家に自分死体が運ばれる。

通夜まで突然の長時間放置ということで、内心そわそわしている。

自分の身内や大切な人たち、近所のひとたちが自分のところに点々と集まってくる。

自分の近くで徹夜で見守ってくれる家族もいて、申し訳なさが加速した。

身体無理させるから、すごく申し訳ない。

時間なにも飲めず食えずで、お通夜までツラい日々だ。

日経って、お通夜がはじまる。

自分の盛れてない写真を飾られて何よりも萎える。何を言っているのかさっぱりわからないお経を数時間聞いて、霊となった自分ですら意識が遠退きそう……

横たわる自分に一人一人近寄ってきて、手を合わせにくる。ん、お前仲良かったっけ…?なんで葬式来た?自分はお前のこと嫌いだったよ……

総じて『死ぬ前に言いに来てくれよ』という感じの言葉が多かった。

葬式の前に納棺がある。

見えるか見えないか瀬戸際みたいな生着替えを、納棺士と展開しなければならない。坊主のお経をBGMに颯爽と生着替えを完了させ、そのまま箱の中にしまわれる私。

みんながかわいいお花を身体のまわりに置いてくれた。ありがとう。でも耳の回りはくすぐったいからやめてほしいな。

そのまま車で運ばれ、箱のまま転がされて、それから動かなくなった。ここが葬儀場?それから数十分後ほど経って、また何を言っているのかよくわからないお経が耳に微かに入ってきた。

死ぬ前もそうだったが、この瞬間にも思い出が走馬灯のようにかけめぐる。

ああ、そろそろこの身、燃やされるかな。

再びそわそわしてきたところに、箱がまた宙に浮いた。ドアが閉められる音がして、ふと静かな空間になった。ここは車のなかで、この斜め具合は山道かな…?

山で燃やされるんだ私。

しばらくして、またお経が聞こえてきた。みんなが心配そうにこちらを覗きこむ。『少し暑いけどがんばってね』なんて言ってくる人もいた。一緒にくる?

真っ黒な釜戸に私は、箱ごと突っ込まれるのだ。はあ。もうじき焼かれる。

焼かれる前に一言

儀式はわかるが、

頼むからもっと早く焼いてさっさと灰にしてくれ。

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