2017-06-15

梅毒流行と、誤解

最近梅毒流行していて、今年は報告数が2,000件を突破した。昨年比30%増。

今年の梅毒患者が2000人超、過去最速ペースで感染拡大(TBS NEWS)

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20170614-00000006-jnn-soci

web上で梅毒についての誤解が散見されるので、代表的ものに対してコメント

(1) 梅毒コンドームでは予防できない

正確に言うと、「コンドームでは完全に予防できない」。コンドーム使用することで、感染率は確実に低下する。この辺りは他の性感染症も同じ。オーラセックスでも感染するので、本番なしでもコンドームを着用する必要がある。まあ、これも他の性感染症と同じ。

男性の1期梅毒症例を見ると、代表的な初期症状であるしこり(硬性下疳)は亀頭周囲に多い。この病変は梅毒の原因菌が侵入した場所とされるが、たいていの場合コンドームで覆える場所にできているので、コンドーム使用していれば感染を予防できたのではないかと思われる(もちろん、他の場所から侵入する可能性もあるけど)。

どちらにしても、コンドームは基本です。

(2) 抗生物質が効かないスーパー梅毒がいる

結論から言えば、そういう菌は確認されていない。「スーパー淋菌」と混同しているんだろう(全く別物)。

梅毒については、一部の抗生物質に耐性の菌は確認されている。ただし、標準治療であるペニシリン系に耐性の菌は確認されていない。

そのため、治療に際して耐性で困るということはない。悩ましいのは、薬をスケジュール通り飲まない場合そもそも外来に来なくなる場合治療後や治療中に再び感染するような行為を行う場合外来に来なくなるケースは困る以前の問題か。結構多いです。

(3) 梅毒は治らない

治ります特に早期梅毒であれば、きちんと治療すれば後遺症もなく治ります

一度感染すると抗体が一生陽性のままになるので、これと混同されているのかもしれません。とにかく治りますから病院に来てください。

(4) 症状が出たら早期に治療してほしい

上にリンク貼ったニュースに出ていた、厚労省コメント。間違ってはいないけど、誤解を招きかねない。

昨年(2016年)に報告された梅毒のうち、実に4分の1は症状が無い状態で診断されている。

(手術前検査健康診断で偶然発見されたり、念のために検査したら見つかったりというケースでしょう)

なので、「症状が出たら」と考えていたら見逃してしまう。梅毒は症状だけでなく、リスク行為があれば検査を受ける必要がある。これも、他の性感染症と同じ。

厚労省には期待していないけど、こういうコメントを見ると悲しくなる(実際の現場を知らないんだろうからしょうがないけどさ)。

セーラームーンポスター作って喜ぶのもいいけど、その前ににやるべきことがあるんじゃないかな。

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