昔は犯罪者なんてその場でリンチしてしまえば恐怖心から犯罪が起きないと思っていた。
犯罪者は人間の屑で、そうされてもしょうがないことをしているし、罰を与え、犯罪も抑制するから一石二鳥だ。
なのに犯罪者を守るような法律がある。何故リンチが許されないのか?とも思っていた。
しかし、時が経って色んな人の考え方に触れ、色んな感情に触れる中でその考え方はなくなっていき、むしろとんでもないことだと言うことに気づいた。
この話をする前に、何故犯罪が起きるのか?という話をしたい。
そもそも犯罪がなされる場合、「よーし今から犯罪するぞー!」「犯罪やりてえ~~~~~!!!!!!」といったロジックで引き起こされる事はあんまりない。
「友達づきあいで万引きした」とか「気に入らないからぶん殴った」等の部屋に落ちてるチン毛みたいなものから、「生活費に困ったから盗んだ」「迫害されていてこれ以上耐えられないから殺した」等の逼迫したものまで理由は様々だ。
「殺したいから殺した」という理由でも、殺人が犯罪だからというよりは、快楽のためであったり復讐や自尊心を満たすといった「犯罪」以外の理由が存在する。
傍目から見たらおかしくてもその時その人の中ではそれは最善の選択肢であり、正当な理由が存在するのだ。
人によっては信号無視をしてしまったときの事を思い出すとわかりやすいかもしれない。信号無視は悪いことだと散々言われているのに、
それをする時は「急いでるししょうがない」「誰もいないし問題ない」と言ったかんたんな理由であっさりその悪いことをしてしまう感じだ。
廊下を走ったり、歩きスマホをしたり、そういった経験は大小問わず多くの人にあると思う。
つまり、「犯罪は良くないよ!悪いことだよ!」とどれだけ言っても、
それを行うに値する理由が存在すれば人はあっさり罪を犯すのでそういう啓蒙では根本的に犯罪の抑止にはならないということだ。
犯罪者へのリンチが許されるということは、犯罪者の人権や安全が確保されていないということになる。
ここで例え話をしたい。
貴方は生活に逼迫していて3日食事を取れていないとする。給料日も半月後で、自宅には食料が一切無い。頼れる人は誰も居ないのでこのままでは死んでしまう。
そこであなたは仕方なく、コンビニ強盗を働いて命を繋ぐことにした。
と考えてほしい。
しかし、最近は犯罪者はその場で殺しても良いという風潮が蔓延しており、犯罪者対策に皆が銃器を持っている。
あなたは死にたくないから強盗をするのに、強盗をすると死んでしまうのだ。
その場合取れる行動はどうなるか?
恐らくそのような状況下では、諦めて死を受け入れるか、相手を殺すかのどちらかになってしまう。
そしてコンビニ強盗を決行してコンビニに人が居たらどうなるか?
死なないために、目撃者を殺すという選択肢を取らざるを得なくなってしまうだろう。
このクソ長い例え話で何が言いたいのかというと、
犯罪者の安全がある程度確保されていないと、犯罪を起こした際、自分を守るために相手を殺すという選択肢が非常に有効になってしまうという事だ。
(「いや俺はそんなことをするくらいだったらゴミを漁ってでも生きるね」といった方もいるかもしれないが、
今は犯罪者の安全が確保されていない場合どうなるかということを話しているのであって、倫理観の話はしていない。国語の勉強をしてほしい。)
犯罪者を手厚く保護しろとは言わないが、犯罪者をある程度守っておかないと、
無関係の市民や罪なき被害者が犯罪者の自衛のために殺されるといった状況になってしまうのだ。
法律で守られていても、社会的に守られていなければ同じことだと思う。
SNSやニュースといった媒体で普通の人は犯罪者に対して非常に手厳しい態度を取っているが、
犯罪者に対してある程度譲歩しないと、犯罪が減るどころか過激になってしまうおそれがある。
自分でもなかなか納得しかねる結論にはなっているが、そうでもしないと犯罪者は過激な行動を取りかねない。
犯罪者は人ではないなどと言うが、思考回路自体は人間なので自分の安全や身を第一に考えて行動するのは分かって欲しい。
そもそも我々が法的な手続きを踏まずに勝手に犯罪者を罰するのは法律で許されていないのである種犯罪だし、
相手は犯罪者で悪いやつだからボコボコにされてもしょうがないというのは、犯罪を犯す時と全く同じロジックなので全く筋が通っていない。