17歳の私は、休日の早朝に人の少ない場所で音楽を聴くのが好きだった。何故かはわからない、非現実感を味わいたい厨二病の一種だったかもしれない
その日向かったのは近所の小さな駅。しかし、この日はスポーツウェアを着た女子高生やスーツを来た大人が普段より多く居た
私はがっかりしてコンビニでお菓子でも買って帰る事に決めた。購入した物をさっさとリュックに詰めた私は家に向かって歩き出す
記憶が飛んだ。ここはテーブルの中央に大きな鉄板のある飲食店のようだ。どうやら私は中学の頃の同級生と昼飯を食べようと待っているらしい
遅れてもう1人来て元気に挨拶をした、私のすぐ隣に座る。お互いの腕が触れそうになる距離に動揺してしまうが、彼女は気にしていないようだ
先に料理が届いた友人が食べ始めた。今気づいたが私は何を注文したか覚えていない
もんじゃ焼きらしい。隣の彼女と一緒に食べるらしい。彼女は終始距離が近かった。私に好意でもあるように勘違いしそうだった
結局、最後まで友人達は私を茶化したりしなかった。解散するようだが、昼までの記憶がない私は皆が居なくなるまで店の前で立ち尽くしていた
こんな簡単に初めて捨てちゃうなんて不思議だね、と言われる。行為の感想より、動機の方が気になってしまう
いきなりごめんね、と謝り彼女は身なりを整えて帰ってしまった。電話してみたが出ることはなかった
それっきり彼女と会うことも話すこともなかった。成人式で3年ぶりに会う
野暮だが当時の事を尋ねた。私に興味があったとか、私が何を考えているのか知りたかったとか、側にいたらどう感じるかとか、抽象的で理解できなかった