(増田は共謀罪には反対の立場ですが、そこまで詳しく調べているわけではありません。ご了承ください)
この件についてなぜか思い起こされたのが、少し前にあった2chのなんJにおける炎上騒ぎです。ご存知の方も多いと思うので詳細は省略しますが、2chのあるクソコテが特定され、クソコテの雇った弁護士まで巻き込んで炎上したというものでした。
炎上といってもその方法は様々で、ネット上で殺害予告をする者、クソコテの住所や弁護士の事務所の前まで出向いて嫌がらせをする者、専用の掲示板やまとめサイトを運営する者、騒動に乗じてひと儲けを企むアフィカス、ようつべやニコ動にMAD動画を上げる者、果てはそれを観て草を生やすだけの者など多岐にわたっています。
どうやら現在の法律では、集団でこのような子供じみた嫌がらせをする事態というのはあまり想定していなかったようです。被害者にしてみれば毎日のように何かが起こって全く気が休まりませんが、個々の嫌がらせだけでは犯罪にならなかったり軽いものだったりというケースもあり、警察や裁判所の対応も後手後手に回ってしまいました。
何より難しいのは、この集団にはトップもいなければ指導体制も、指揮系統もないという点です。単に身内で目立ちたいからというだけの理由で、嫌がらせがエスカレートしていくことすらありました。
しかし、このネットイナゴの群れをひとつの集団として考えた場合、集団の総意として嫌がらせや営業妨害を行っている、とみなすことはできるかもしれません。
各個撃破するより、そっちの方がいろいろスムーズだと思いませんか?
いやそんな2ちゃんねらーのことなんか知らねえよ、と思われる方も多いでしょう。そんな気持ちの悪い集団みんなしょっ引いてしまえ、という意見も出てくるかもしれません。
しかし思うのですが、共謀罪の対象になるのも、そんな怪しい集団なんじゃないでしょうか?
「無実の人が捜査対象になる! 絶対に廃案にしなければ!」というノリだと、無駄にヒロイックかつ悲壮な感じになってしまいますが、おそらく現実はそんなドラマティックなものではありません。
一般人が対象になることはない、というのも全くの的外れではなく、最初に誰かが対象になるとすれば、やはり普通の感覚とはかけ離れたような、なんだかよくわからない不気味な連中なのでしょう。
明らかに白い一般人などどこにもおらず、黒ばかりに見える中、いったいどこで線引きをしていくかというような、一見地味ながらも苦しい決断になるのだと思います。
よく引き合いに出される治安維持法にしても、敗戦とそれによる権力構造の解体があったからこそ、今まで黒とされていたのが事後的かつ遡及的に白ということになったに過ぎません。
当時の感覚では危険思想の持ち主ですから、一般的には黒や限りなく黒に近いグレーという扱いであり、リアルタイムで最初から白だと思っていたのは彼らの同志やシンパぐらいでしょう。
それでも結果としては「無実の市民を検挙した」という覆しようのない事実が残ってしまいました。
この件について、自分に害がなければどうでもいい、という考えの方も多いと思います。ぶっちゃけ自分もそういう思いはあります。
しかし、どっかの誰かも言ってましたが、知らないものへの無関心や不寛容こそ、結局は回り回って自分の首を絞めることになるのではないか、という漠然とした不安はあるのです。