2017-04-22

ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ転売について

ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ通称ミニファミコン or ファミコンミニ)について、「希望小売価格で買えなかった人たち」の不満がくすぶってます

2016年11月10日に発売されたミニファミコンは、任天堂が思った以上にオヤジ世代ノスタルジーを刺激したらしく、全国的に品切れ続出。任天堂が何度か再出荷するもののすぐに完売となり、ビックカメラでは入荷した時に購入の権利を得るための「抽選会」が開かれる人気ぶりでした。

こうなると活気付くのが「転売屋」と呼ばれる人たち。転売屋と思われる人からAmazonに出品されたミニファミコンは、希望小売価格が5980円+税(税込 6458円)に対して、7500円~12000円くらいの値段を行ったり来たりしていました。

Amazonカスタマーレビューでは「悪質な転売屋から絶対に買ってはいけません、再出荷されるまで待ちましょう」「任天堂は一刻も早く安定供給を」「なぜ、Amazon転売屋容認しているのか」といった意見が相次いで書き込まれていましたが、2017年4月14日任天堂が「一旦生産を終了」と発表。Amazonカスタマーレビューには「転売屋を儲けさせる生産中止、任天堂ひどい」「転売屋の思う壺で、怒りがおさまりません」などの非難恨み節が並ぶ事態となりました。生産再開の予定は不明で、Amazonでは現在最低でも9800円以上の値段で出品されています

ここで気になるのは、転売屋(らしき人)を「悪質」と決め付けている人があまりに多いということ。希望小売価格あくまメーカー希望であって、仕入れものいくらで売るかは売る人の自由です。少なくとも法律違反ではないし、グレーゾーンですらありません。Amazonに対して「なぜ容認しているのか」などと文句を言うのは、言いがかりしか言えません。

また、私はこのミニファミコン転売らしき行為に関しては、道義的にもそんなに非難されることではないと思います。どれくらい人気が出るのか、どれくらいの値段まで出して欲しがる人がいるかなどの需要を見極め在庫を確保して売る、という行為ビジネスとしては普通のことです。特に今回の場合任天堂が売れ行きを見て大幅な増産を実施する可能性もありましたし、そうなったら抱えた在庫市場価格と同じかそれ以下で売るしかなくなるリスクを抱えたビジネスだったわけで、「楽して儲けるなんてけしからん!」という非難も該当しません。結果として任天堂生産中止したのは、転売屋側の見極めが鋭かったというだけのことです。

それに、いつ再生産されるか分からないミニファミコンをすぐに入手して遊べるというメリットがあったことを考えれば、7500円という価格設定希望小売価格より1000円ほど高いだけであり、全く悪質とは思えません。ですから、「人の足元を見てけしからん!」という非難も該当しません。

任天堂転売屋文句を言っている人たちは、商品統一された価格で充分あるいは過剰に供給されることに慣れきってしまっているのでしょう。

私は、どちらかと言えば「そのうち再生産されますから適正価格で買えるようになるまで待ちましょう」と、根拠もなく買い控えることを勧めた人たちの方が無責任であり、非難されてもおかしくないと思います任天堂から近いうちに充分な量を市場供給する」というアナウンスがあったわけでもないのですから、「適正価格で買えるようになる」というのは、根拠のないウソ情報と言う他ありません。もしこれが自分の友人の発言で、それを真に受けて買うのを待ったらどう思うでしょう。「あいつが待てって言うから買わなかったのに」と不満に思うのではありませんか。

基本的にはカスタマーレビュー情報は無保証であり、その真偽は自身判断すべきことです。しかしながら、任天堂生産終了を発表した今になってもなお、「周囲の根拠のないアドバイスに流されず、買っておけばよかった」という声より「転売屋許せん」「任天堂ひどい」といった声の方が多いように見え、いまだに事の本質に気づかない人が多いことに、違和感を感じずにいられませんでした。

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