やな上司というのはどこにでもいるが、うちにも鬼上司がいる。
自分にも厳しいが他人へも厳しいタイプ。
「正論でぶん殴ってくる」という比喩は彼にぴったりだ。
事あるごとに彼からは叱られていた。
ある時、大きなミスをしてしまった。
首が飛ぶとまではいかないが、それなりの損失がでるミスだ。
顔面蒼白になりながら、そのことを報告すると、
上司はそっかの一言。
損失は、彼の指示で最小限に抑えられた。
その後何も音沙汰がなく、逆に怖くなって
上司に「例の件ですが、何か処罰はないのですか」と聞いてみた。
彼は不思議そうな顔をしながら「なに?処罰って」
思わぬ返答に「え、、叱るとか」と思わず本音が
それを聞いた彼は
「失敗をしていないと思う人間には、気が付かせるのに叱るけど、
失敗したと思ってる人間に叱る意味はないだろ」と
それを聞いて、うれしかったのか、それとも気が抜けたのか、
思わず泣いてしまったのだが、
泣いている自分を置いて、そそくさと逃げ出した彼は、やっぱりちょっとやな奴だと思った。
ツイートシェア