2017-01-23

絵本えんとつ町のプペル』のどこが駄目なのか

にしのあきひろ著、『えんとつ町のプペル』を読んだ感想を書く。


先に書いておくが、私は紙の本を購入していない。

Spotlightサイトにて無料で読んだ。


作品批評特に批判的な批評する際、本来であればお金を払うべきだと思う。

でも、本人の意向無料公開したのだから、私も好きなように書きたいことを書く。

作品批評自由であるべきだからだ。


この絵本は"絵"が駄目である ー その1


最初にただしておきたいが、六七質さんの背景画が駄目だと言いたいのではない。

しろものすごい技量をお持ちのイラストレーターさんだと思う。


ピクシブや他のサイトでも、六七質さんの作品を拝見した。

緻密な建物の描き込みはもちろんのこと、空間の奥行き感じさせるぼやかした遠くの景色

夢の世界へいざなってくれるようなファンタジックさがありながらも、懐かしい記憶を刺激するようなノスタルジックさを併せ持つ独自世界観、等々。

私が言うまでもなく、素晴らしい作品をたくさん創作されている方だと思う。



では、この絵本の絵の何が駄目なのか。


それは「構図」である

一言で言えば、キャラクターが小さすぎ、背景が主張しすぎである


文字だけ抽出して読むと分かりやすいが、この物語はプペルとルビッチの2人のやりとりをメインに話が進んでいく。

2人の間で育まれ友情や、ルビッチ父親形見を2人で探しに行く冒険描写ほとんどで、町の風景の美しさを語る叙景詩ではけっしてない。


もちろん、後述するようにこのえんとつ町自体が、物語全体のテーマに通ずる要素にはなっている。

しかし、町の風景描写あくまでもサブ的な要素として、もう少し控えめに描くべきであった。

具体的には、キャラクターを大きく、背景のコントラストを落として、キャラクターを浮き立たせるように全体の色彩設計すべきであった。


では、なぜこのようになったのか。

それは推測でしかないが、要するに作者はこの町の風景世界観表現たかったのだろう。

最初から中盤まで、とにかく町の風景風景風景風景・・・と同じようなページがずっと続く。

描かれている看板などはそれぞれ違うようにしてあるが、ひたすら同じようなトーンの町の風景ばかりだ。

これは絵本としては致命的であるし、読むほうも飽きてくる。


それならば、風景イラスト集だったらよかったのか。

この町の風景単体で作品としての価値があるかというと、私はそうは思わない。

ブレードランナー」みたいな町を、「千と千尋の神隠し」みたいな色彩で味付けしただけと私は思った。

ブレラン自体が真似されまくっているので、これも世界中に数多あるブレランの50番煎じ、60番煎じの一つだと思う。


この絵本は"絵"が駄目である ー その2


絵については、他にもある。


この絵本は次の一文から始まる。

「4000メートルの崖にかこまれ、そとの世界を知らない町がありました。」

でも途中で、町は海に面していることが分かる。

ここで驚いたというか、ずっこけた読者も多いのではないだろうか。


「えんとつの町に住むひとは、くろい煙にとじこめられて、あおい空を知りません。かがやく星を知りません。」

とあるが、別にえんとつ町は外界から隔絶された町なのではないのだ。


それと、えんとつ町だけが高いところにあって、断崖絶壁の低地に囲まれているのか、

それとも、えんとつ町だけが低いところにあって、高い崖に囲まれているのか、海が出てくる場面まではっきりしない。


これだけ多くのページで町の風景を描いているのだから町の置かれた地形が分かるように、町の風景を描くべきだった。



絵について、最後にもう一つ。


プペルは、醜い姿をしながらも、清くて純真な心を持った、他のさまざまな物語にも登場する典型的怪物キャラクターである

しかし、絵本の序盤ではプペルの姿ははっきり見えず、終盤に近づくにつれてプペルの姿が明るく映し出されて全容が分かるようになる。


あとがきで作者が 懇 切 丁 寧 に 説明してくれていたように、プペルが「ゴミから構成されているのは物語重要な部分である

それであるなら、プペルの姿の醜さは、序盤からはっきり分かるように描くべきであった。


この絵本は"物語"が駄目である


この記事の本番はここから


あとがきには、この物語について次のように説明している。(※太字は筆者)

えんとつ町は煙突だらけで、そこかしこから煙が上がり、頭の上はモックモク。朝から晩までモックモク。えんとつ町に住む人は、青い空を知りやしない。輝く空を知りやしない。『空』という概念がないものですから、見上げることもしません。


そんな町に突如現れたゴミ人間と、その友達煙突掃除屋が、それでも空を見上げるもんだから、町から袋叩きに遭ってしまますえんとつ町は、夢を語れば笑われて、行動すれば叩かれる、現代社会風刺そして、「夢を見る」「夢を語る」「行動する」といった、大人になる過程で皆が折り合いをつけて捨てたモノをまだ持ち続けているという意味で、主人公を《ゴミ人間》にしてみました。


えんとつ町のプペル』は、そんな物語です。

あとがき現代社会風刺」と説明する野暮さには目も当てられないが、ここではひとまず流しておく。


プペルは「『夢を見る』『夢を語る』『行動する』といった、大人になる過程で皆が折り合いをつけて捨てたモノ」、いわば「夢の残骸」である

子供の頃は誰もが持っていた「夢を見る」「夢を語る」「行動する」は、プペルの心のように清くて純真もので、

それはえんとつ町(大人社会大人常識)の住民からすればゴミ、汚い、臭いものとして扱われる世界観なのである


では、ルビッチはどのような人物なのか。

それは作者・西野亮廣自身である

西野氏が、ルビッチのようなサスペンダーとハットを好むのを見れば、一目瞭然である

http://news.mynavi.jp/news/2015/01/04/138/images/001.jpg

http://up.gc-img.net/post_img_web/2013/02/55cb8b02247b92662b9e0a71412ec0f3_0.jpeg

http://s.eximg.jp/exnews/feed/Taishu/Taishu_21980_1.jpg

http://jgweb.jp/wp-content/uploads/2013/06/new_IMG_0039.jpg

http://img.u-note.me/note/uploadimage/1407827558970.jpg

https://wordleaf.c.yimg.jp/wordleaf/thepage/images/20130913-00000001-wordleaf/20130913-00000001-wordleaf-0.jpg

http://s.eximg.jp/exnews/feed/Yoshimoto/Yoshimoto_201306_post-0995_1_s.jpg


駄目押しで書くと、煙突掃除夫にはこのような制服があるので、作者がルビッチ自分投影していなかったのならば、ルビッチはこのような容姿になったはずである

google:image:Chimney sweep uniform


まり、この物語は、現実世界で「夢を語れば笑われて、行動すれば叩かれる」作者・西野自身が、清くて純真な「夢の残骸(プペル)」の尊さを自分けが理解し、そして夢を叶えるという概念(空にはホシがあるということ)は自分だけしか知らず、自分けが夢を叶えることができたという話なのである


それでは、西野亮廣氏は「夢を語るから、行動するから」笑われたり、叩かれたりするのか。

もちろん、そうではない。

自分の実力以上に、上から目線物言いをするからである

https://www.youtube.com/watch?v=asx0938br3E


現代現実世界では「夢を見る」「夢を語る」「行動する」は、「大人になる過程で皆が折り合いをつけて捨てたモノ」なのだろうか。

ゴミ、汚い、臭いものとして扱われているものなのだろうか。


社会生活している人々は皆「『空』という概念がないものですから、見上げることもしません」、つまり夢を見たり叶えたりする概念すら知らないのだろうか。


一部ではその通りかもしれないが、しかし、すべてがそうではないはずだ。

夢を見て、語って、行動し、実際に夢を叶える大人は、この社会にはたくさんいるかである


しかし、作者・西野氏は「自分けが『夢』という概念を知っている。自分けが大人になっても夢を見て、語って、行動している。だから自分は笑われ、叩かれるのだ」という考えを、この物語のなかで自己正当化しているのだ。


からこの絵本物語は、幼稚なナルシズムに満ちていて、どうしようもなく醜悪でなのである

  • http://anond.hatelabo.jp/20170123040505

    2chの絵本板で、引きのシーンが多過ぎる理由は、 背景の看板や提灯にファンの名前や社名を 入れるためではないかと言われてた。 30,000円シード、60,000円シードなどと設定して クラウド...

    • anond:20170123081210

      なるほど。 それでは、お金のために仕方なく作品の質を落とした、という可能性もありますね。 仮にそうであるのならば、まさに「お金の奴隷」ですね。

  • http://anond.hatelabo.jp/20170123040505

    なんか一連の叩きに便乗して「そもそも作品もダメだよねw」って強くダメ出しして乗っかってるようでスゲー醜悪だなこいつ。 嫌われ者をより嫌われるように仕向けてるところに、い...

  • http://anond.hatelabo.jp/20170123040505

    金払わなくても批判していいぞ 意識高いアピールすんな ウザい

  • http://anond.hatelabo.jp/20170123040505

    批評として、全然駄目 具体的には、キャラクターを大きく、背景のコントラストを落として、キャラクターを浮き立たせるように全体の色彩設計すべきであった。 根拠が弱い 例え...

  • http://anond.hatelabo.jp/20170123040505

    ネットの素人批評てほんと技術的な話が薄すぎるよなと思わされた

  • http://anond.hatelabo.jp/20170123040505

    最初に世界観の話をしてる時点でオチがバレる それを裏切ってこそなんだけどヒネらない作品ばっかり

  • http://anond.hatelabo.jp/20170123191537

    あの物語の中で、「えんとつ町」というのはむしろ「狭い世界」です。 言葉遊びはしなくていい 狭い世界で大きい面ができているのならともかく、主人公二人は迫害されるマイノリテ...

  • anond:20170125000434

    なるほど。 あなたには、もっと数段低いレベルのから話をしなければならなかったのですね。 まずお前は西野=主人公と完全に信じ込んでいる 完全に信じ込んでいるのではなく、繰...

  • http://anond.hatelabo.jp/20170123040505

    「本来ならちゃんと金を払うべき」とか意識高いこと言う前にちゃんと本の文章読めよw なにが自分だけが夢をかなえた話だよw 曲解しまくりやがって

  • 西野の絵ではない

    盛大に勘違いしているみたいだから言っておくけど、絵を描いたのは西野ではなく六七質(ブログでは677号)さんだから。 西野の原画もあるけどたいしてうまくはない。 今回の件は本来...

  • 絵に対する勘違い

    絵について勘違いがあるので指摘したい。 この町の風景単体で作品としての価値があるかというと、私はそうは思わない。 「ブレードランナー」みたいな町を、「千と千尋の神隠し」...

  • http://anond.hatelabo.jp/20170123040505

    既に他のトラバで示したように、おまえの論で妥当なのは西野=ルビッチくらいまでで、作中での描写についてはことごとく間違っている そしてほぼ全ての物語において、主人公を作者...

  • http://anond.hatelabo.jp/20170123040505

    俺は俺TUEEEEはキモいと言ったが、それはちゃんと作中の主人公の行動を見てキモいと言っている おまえは作中描写に関係なく、現実の作者の行動を根拠に作品を否定している 評論として...

  • http://anond.hatelabo.jp/20170123040505

    実際の内容と、元増田の主張における「プペル=作者」の位置づけがおかしい。 その内容では、ストーリー的に自己投影すべきは最初に迫害されているプペルの方じゃないか? と思っ...

    • http://anond.hatelabo.jp/20170125141838

      だってそいつ「実際の内容」ちゃんと読んでないし

    • http://anond.hatelabo.jp/20170125141838

      執着心というなら熱風海陸ブシロードには全然かなわないけどね!(謎の対抗心)

    • anond:20170125141838

      元増田ですが、私は最初からずっと、 「プペル=ゴミ=大人になる過程で皆が折り合いをつけて捨てたモノ」(これは作者のあとがきにある通り) 「ルビッチ=作者の西野氏」 という...

      • http://anond.hatelabo.jp/20170125144404

        その内容では、ストーリー的に自己投影すべきは最初に迫害されているプペルの方じゃないか? どう見ても一行目はただの書き間違いだな お前はたとえ矛盾が生じても自分に都合の良...

      • http://anond.hatelabo.jp/20170125144404

        さきの増田で間違えたw 実際の内容と、元増田の主張における「ルビッチ=作者」の位置づけがおかしい。 その内容では、ストーリー的に自己投影すべきは最初に迫害されているプペ...

        • anond:20170125213027

          元増田です。 参考になるご指摘、ありがとうございます。 私は、 「プペル=ゴミ=大人になる過程で皆が折り合いをつけて捨てたモノ」 「ルビッチ=作者の西野氏」 と役割分けの...

        • anond:20170125213027

          元増田です。 参考になるご指摘、ありがとうございます。 私は、 「プペル=ゴミ=大人になる過程で皆が折り合いをつけて捨てたモノ」 「ルビッチ=作者の西野氏」 と役割分けの...

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