2016-12-31

大みそか誕生日なんだ。

年末年始の忙しい時期だから子供のころに友達を招いてのお誕生日会はとても望めなかった。おせちの準備でバタバタする台所と大掃除に追われるそれぞれの部屋、夜には紅白歌合戦年越しそば。それが誕生日風景。慌ただしい中に、母はいつもケーキを用意してくれていた。そばの後にケーキ紅白が後ろに流れる中食べるケーキ。それが誕生日風景だった。

不思議なくらい多幸感につつまれていた。誕生日ってこういうものなんだと思っていた。

1人暮らしを始めた。その年の大みそか自由にやってみたかった。紅白なんか流れてない。そばなんて食べない。わざわざこんな日にケーキなんて食べる必要なんてない。働いて稼いだお金で好きなものを並べた。でも全然楽しくなかった。カウントダウンイベントに行った。場違い感が半端じゃなかった。次の年は友達を呼んだ、でもパーティーには慣れていなくて、これまた全然楽しくなかった。ふつう誕生日の祝い方を知らなかったんだ。

から去年は紅白を流した。そばもケーキも食べた。でも全然楽しくなかった。家族が集まって祝われることが楽しかったんだと気づいた。

いつか誰かと大みそかを過ごしてふつう楽しいなと思えたとき、私は新しい家族を持つのかもしれない。

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