「いいドラマだったね」
「でもゆりちゃんのラストが納得いかなくない? 結局彼女の、劣等感とか、世間の目の苦しさはさ、イケメン年下に愛されることで解消しました〜って、それでいいの?」
「いや、あれはさ、むしろ“イケメン年下に色目つかってみっともない”っていう世間の偏見をゆりちゃん自身が内面化しちゃってたんだけど、でも、その呪いから解き放たれたって話じゃん」
「うーん、そっかぁ。確かに、ユリちゃん個人の選択としては尊重されるべきだし何も間違ってないとは思うんだよ。でも独身の私からすると、ユリちゃんは、ひとりで生きてても結構楽しいよ、っていうことを示してほしかったなって思うわけ」
「うん」
「ラストであっちもこっちもくっついて、結局、ツガイにならないと幸せになれないのかなあって、ちょっと思った」
「いやいや、ヒラマサさんはさ、ひとりでもふたりでも生きていくのはめんどくさい、それならふたりもあり、って言ってたじゃん。別にひとりを否定してるわけでなく、二人も選択肢としてありだよね、って」
「にしてはさ〜。ずっとひとりでいることを自分の意志で選択して、かっこよく生きるロールモデルがいなかったよ。あ、私たぶんそういうことが言いたいんだと思う。
ゆりちゃんにそのロールモデルを押し付けるのは確かに間違ってるかもしれないけど、いろんな人間のあり方を書いた逃げ恥が、独身の幸せを書いてくれなかったことが、残念なのかも」