好き好き大好き超愛してる。を読んだ。書き出しはよく話題になる通りすごいと思った。愛は祈りだ。僕は祈る。うーん、名分です。
ただ、全体的にわかりにくい小説になっているように感じた。特に途中途中の小話は、そしてそのタイトルは何を表してるんだろう。
多分その時々の祈りが含まれているんだろうけど、これらが挿入されることによって物語が分断されるので途中まで訳が分からなかった。
読みにくさに関して、買った文庫の書式が合わなかったってのも一因にあげられる気がする。
普通の文庫本より行間を大きくとってあるせいで、すかすかなんだけどみっちりしていて読みにくいっていう不思議な文章になってしまっていた。
また、これまた独特な文章のリズムも読みにくさに拍車をかけていたように感じる。初めての舞城王太郎作品だったんだけど、この人こんなような文章ばっかなのかな。
一人称ってのも原因なんだけど、周囲の描写はほとんどないし、ぐだぐだぐだぐだ文章は続くし、言葉自体もわざと洗練させていない気がする。
でも結局は小説自体の構造と、文庫の書式が悪魔合体して読みにくくしているんだと思った。ほんと、なんでこんな書式にしたんだろう。
内容に関して、何かに誰かに思いをはせることが祈りであり、愛することであるのならば、恨みや呪いもまたイコールで結ばれてしまうんだろうなあって思った。
つまるところ、それを表しているのが主人公と賞太の間で交わされた通話なんだろう。その人のことを好いているから許せないのだし、憎悪が募ってしまう。