2016-12-09

そろそろ「御城プロジェクト」のアイヌ問題について述べておくか

御城プロジェクト:RE』というゲームの「ユクエピラチャシ」というキャラクターについての批判

http://togetter.com/li/1056767

  

このゲームで〔松本城〕というのは、現実長野県松本市に建っている松本城のことではない。それをモチーフにした架空美少女キャラクターのことを指す。

  

一方、〔アイヌ語〕に関しては事情が異なる。

今回問題になっているこのキャラがしゃべっている言語は、実在するアイヌ語モチーフにして作りあげた変テコな口癖をちょっぴり混ぜこんだだけの日本語である。そういう日本語のことを指して〔アイヌ語〕とよぶのは、このゲーム公式設定でそう決っているというわけではない。

  

それにもかかわらず、担当声優は「アイヌ語お話しするかわいい子です♪」とツイートしてしまった。

私はこれが失言だったと思う。

アイヌ語ではないものを"アイヌ語"だと宣伝してしまったのである現実世界ゲーム世界、どちらに照らし合わせてもこのツイートは誤りだ。

  

さらに一層悪いことには、このツイートに出てくるタイプ偏見現代社会におけるアイヌ差別にも直結してしまっている。

例えば「アイヌ民族存在しない」という差別的な主張を唱える者たちがいるけれども、彼らがよく根拠として出してくるのは「アイヌ人も日本人と同じ言葉をしゃべるし、文化的にもまったく同じ生活をしている」ということなのだ。

声優ツイートは「アイヌ語北海道の一地方方言であり、基本的には日本語ほとんど同じものだ」という誤解を与える。それは差別に加担することになりうるし、その点はもっと慎重になるべきだった。

  

なので、製作者側が対策としてできることがあるとすれば、あれをアイヌ語だとする主張を撤回することだ。もしくは「アイヌ語モチーフにした口癖です」ぐらいのかんじで、適当な主張に改めればよい。

いやまあ、今から公式設定を追加して、「このゲーム世界ではこれこそが正しいアイヌ語なんです。現実アイヌ語とは違いますけどご理解ください」という強弁をすることもできる。フィクションからその方法で押し通すことも可能だ。とはいえ、わざわざそれをやる必要は感じられない。

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