「年賀状、ください。だってもらうとうれしいんです。」池袋駅近くの郵便局で、アイドルグループ『嵐』の5人が、年賀状片手に写るポスターが目に入った。
私が中学生くらいの頃までは、友達と年末前にお互いの住所を教え合い、年賀状を送り合っていた。
パソコンの年賀状作成ソフトが使えなかったので、表の住所から裏の挨拶文まですべて手書き。
友達に漫画やアニメが好きな子が多かったので、年賀状に相手が好きなキャラクターのイラストを、ガラケーで画像検索して描いたのはいい思い出である。時間がたつと画面が消えるのでその度ボタン押すのが面倒だった。ハガレンとか、銀魂とか。あとDグレだったかな。年代がばれそう。
受け取るのも楽しみだった。朝寒い中ポストを開け、自分あての年賀状を探す。友達も自分の絵柄でイラストを描いてくれたりしていて、一つの作品を受け取ったようで嬉しかった。
(凝りすぎて新年間に合わんかった!と冬休み明けに手渡しで年賀状を渡してきた友達には笑った)
現在新年の挨拶はメールやLINEアプリで一言メッセージを送るのみ。こちらの都合もあるが、それよりこちらが送ると、向こうに送り返す負担が生じることを避ける気持ちが大きい。
「年賀状お互いめんどいし送らなくていいからー」と事前に伝えてくれる人も多い。
ネット通信によって相手に言葉を送ることは簡単になった。技術の進歩ありがとう。
でも、自分のため、誰かが手間をかけて作ってくれたものを受け取る喜びを感じる機会が減ったことは、ちょっと寂しいことなのかもしれない。