2016-10-26

0.999…=1は公理じゃねぇぇぇぇ

0.999…が1と等しい事がわからん中学生がいる、っていう増田エントリ[1]があって、

それに対してわっと氏が「等しいのは公理から」って返答[2]している。

[1] http://anond.hatelabo.jp/20161024040352

[2] http://watto.hatenablog.com/entry/2016/10/25/133000

いや、ちげーよ!!というのが本稿の趣旨である

ちなみに私は[1]の増田とは別人。

わっと氏の主張のどこが間違っているか述べる前に、

じゃぁ、0.999…=1となる本当の理由は何か、というのを先に書いておく。

そもそもなんとなくごまかして「0.999…」と書くことで9が無限に続いている事を表現しているが、

実際には人間の有限の寿命無限個の数字を書けるわけもない(ヒルベルトの「有限の立場」)。

なんで、実際には有限個数であるn個の9を書いて、そのnをどんどん大きくしているのである

で、nを大きくするたびに、0.999…が1に近づくというのが、「0.999…=1」の正しい数学意味である

高校数学をわかってる人向けに書くと、ようするにnを無限大飛ばしときの極限を考えているわけ。

で、わっと氏の何が間違っているのか。

おめー、0.999…=1が実数体公理だってんなら、有理数体や複素数体の上では「0.999…=1」は

成り立たないってのか!?

当然そんなわけない。

まり実数体公理の中でもっと重要公理であるデデキントの切断公理が満たされないケース(有理数体)や

順序の公理が満たされないケース(複素数体)でも「0.999…=1」は成り立っているわけで、

「0.999…=1は実数体公理」という主張はおかしい(注)。

じゃぁ何が重要なのか。

答えは実数体の「距離構造である(更に弱く「位相構造」でも良い)。

先に極限の話をしたとき、0.999…の桁数nを大きくすると、1に「近づく」って述べた。

「近づく」ってのは「距離が小さくなる」ってことなんで、距離関係しているわけだ。

わっと氏が触れているε-N0式の極限の定義でも、

二点間の距離を使って極限を定義してますしね。

実際、実数体距離として通常の距離とは別のものをいれると、

0.999…は1に近づくとは限らない。

単純な例としては実数xとyの距離d(x,y)を

d(x,y) = 0 if x=y

d(x,y) = 1 if x≠y

定義する(離散距離)と0.999…(n桁)と1との距離

nがいくつであっても常に1なので、nを無限大飛ばしても

0.999…は1に収束しない。

(注)もちろん、実数に関する性質を導くには必ず実数公理を使うわけだから

そういう意味では「0.999…=1」の証明実数公理を使うことにはなるんだけど、

そんなこと言い出したら「πは超越数」とか「5次方程式は解の公式を持たない」とか

実数に関する全ての定理実数公理を使っていることになるでしょ。

★追記

わっと氏の新しい記事を見て、わっと氏が何を勘違いしているのかわかった。

勘違いしているのは、デデキント切断公理の意義である

切断公理の意義は何らかの実数存在性を示せる事だ。

例えば

0.123456789101112131415....

という小数を考えたとき、この小数の桁数を無限飛ばした極限の

実数チャンパーノウン定数)が存在する事を示すには切断公理必要となる。

しかし0.999...の場合収束先の実数である1が存在することは

(体の公理より)自明なので、切断公理必要ないのである

記事の「これはデデキントを遠目で見てます」という記述を見る限り、

わっと氏は無限絡みで実数直線を2つにぶった切るときは常に切断公理

必要になると思っているようだが、これは正しくない。

上述したようにこのケースはデデキント切断公理必要ではないので。

デデキント切断公理は「実数直線を2つにぶった切るとどちらかに必ず端点が

存在する」という趣旨公理であり、この最後の「存在する」が必要になる場合に使われる

公理なのである

記事への反応 -
  • 中学生「0.999999... = 1 に納得がいきません.なぜこれが成り立つんですか?」 先生「分数 1/3 を小数で表すと 0.333333... ですね.つまり, 1/3 = 0.333333... です.両辺を 3 倍すれば 1 = 0.999999......

    • 0.999…が1と等しい事がわからん中学生がいる、っていう増田のエントリ[1]があって、 それに対してわっと氏が「等しいのは公理だから」って返答[2]している。 [1] http://anond.hatelabo.jp/201610...

      • 「0.999999…=1」を理解できるかどうかというのは、「0.999999…」の意味をどう捉えているかの問題だと思う。 「0.999999…」を単に9がたくさん続く数というふうに捉えていると「0.999999…=1...

    • 2chのスカッとするコピペとか好きそう

    • かつて理系大学生、数学科学生だった教員なんて相当数いるのに、なんでそんな割合になるんだろ。現役大学生が書いたんだろうか。

    • さすがに「いかなる」となるとどの立場でも0%じゃないか? テレビで見た未解決問題を先生に振ってみる生徒とかいてもおかしくないし。 自分は先生に振ったことはないが、中二病...

    • 「強い想いは限界を超える。お前たちも自分の限界を感じたらこの話を思い出せ。お前たちの限界は、いつだって「0.9999...」なんだからな…」

    • こういう子どもが実在するとしたら、数学科に行くんだろうなあって思った ばりばりの理系っつーのかな 自分には全然理解できん世界だわ

    • 有理数も無理数も無限にあるのに無理数のほうがいっぱいあるって意味がわかんないよ。

    • 数学って数そのものについて研究すると、途端に難易度上がるのは何故なんだ。

    • この中学生にいくつか聞いてみたい。 0.99999..... - 0.33333.... は計算できますか?と。 つぎに、 1 - 0.33333.... は計算できますか?とも聞いてみよう。 この場合の 0.33333.... は...

    • 0.999...が限りなく1に限りなく近い数字だから1と等しいという理解は、(おそらく)間違っています。

    • 数学科の学生は小学校教員、中学校教員になれないの?

    • http://i.imgur.com/lW8vh3w.png 増田ってtex使えないじゃん

    • これさ、マジメに答えるとしたら 1. 一般の循環小数の定義を(無限級数で)与える 2. 上記の特殊な場合として0.333...を考える 3. |1/3-0.333...|が任意のε>0よりも小さくなることを示す で...

    • 先生最初に答え書いてるじゃない。 0.の後にずっと3が続く様子を表すって。 特定の実数を表記した物では無く 数を永遠に繰り返すプロセスを表記したんだから。 普通の数と同じ様に扱...

    • こまけぇこたぁいいんだよ!!

    • 高校の数列の知識が必要だが、私は下記が一番納得できる。 0.99999...は初項0.9、等比0.1の無限等比級数とみなせる。 そのため、 ■等比が1より小さいときの無限等比級数の公式 a + ar + ar...

    • まっすぐな線路の上に立って遠くを眺める 2本の線が交わって見えてくる

    • 0より大きく、1より小さい実数の集合Aを考えよう。 0.1も含まれる、0.33333..... も含まれる。でも1は含まれない。 数式で書くとこんな感じだ。 A={ x∈R , 1>x>0 } この集合Aには最大値も...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん