個人的には、結婚や子育てをコスパで考えること自体を否定するつもりはない。
その人にとっては、所詮その程度の存在なんだな、と思うだけだ。
人間、思い入れのあるものには金や時間をかけるし、少なくとも思い入れがあるうちは、惜しいとも思わない。
逆に言えば、大して思い入れがないからこそ、選ぶ際には必死でコスパを考慮することになる。
婚活なんかまさにそれで、今まで何の縁もなかった人が相手だと、どうしても打算的になりがちだ。
誤解を恐れず言うならば、コスパが良いにせよ悪いにせよ、コスパを持ち出された時点でもう負けている。
もはやチェーン店の牛丼程度にしか思われていないということだ。
もちろん、「金や時間に余裕がないから、結婚や出産ができない」というのも正しいと思う。
やる気があろうがなかろうが、金がもらえればうれしいから、皆とりあえず反対はしない。
しかし、本当にやる気がなければ、金や時間を与えても、それ以上思い入れのあるものに消えるだけだ。
一昔前の車メーカーを思い出す。
彼らもかつては、若者が車を買わないのは金がないから、金がないから売れないんだとしか言わなかったが、
そもそも需要が減っている事実から、必死で目を背けていたようにしか見えなかった。
現在の若者が不遇なのは間違いないし、その是正は少子化を抜きにしても達成すべき課題である。